ヤンキーオビトといいんちょカカシ


注意書き *** 完全なる学パロ。本誌が両想いの癖にラブラブにならないのでカッとなってやりました。
YAOIそのものです。ご注意ください。




下描きに色を置いただけなのでそのうち清書します><

***

「…オビト?」
準備室用に確保された教室に足を踏み入れると、転がった布地に行く手を阻まれた。
教壇の向こう側からパーカーを被り、右眼に眼帯を付けたオビトが顔を出す。
『2−Bにバナナパフェ』
先日、他校との喧嘩で傷を追ったのは顔以外にも、学祭への参加禁止を突き付けられたはずのオビトからのメール。
「似合ってんじゃん、メイド服」
「うっさい、バカ」
メイド喫茶というベタな出し物の犠牲になった姿を見て、オビトは口の端を上げた。
スカスカと心許ない布切れ一枚の太腿は無意識に内股気味になってしまう。
「学校出てきて大丈夫なの?」
プレートに乗せたパフェを零さないよう床に散らばる装飾品の残がいを跨ぎ、教壇へと近づく。オビトは制服では無く私服で忍び込んだようで、いつもとは違う見慣れない姿にドキリとする。
教壇に寄りかかるようにして、腕組みをしたオビトは、頭の先からつま先まで見下ろすと片眉を上げた。
「せっかくだから委員長の女装、見にきた」
「ッ!」
オビトの言葉に堪えていた羞恥心がむくむくと膨れあがる。口をわなわなとさせていると、顔真っ赤だなと笑いながらプレートごとパフェを受け取ろうと伸びてきた手が、ふと留まり至近距離に近づいたオビトが横目で見てくる。
「な…なにっ」
「アレ、付けてくれた?」
無遠慮に伸びてきた手にスカートの中を弄れる。
「んっ」
暖かい手のひらに包まれる感触にガクリと膝が折れて、咄嗟にオビトの腕に掴まった。
「…あっぶね」
カランカランと床に落ちたプレートが回っている。肝心のパフェはオビトが受け取ってくれたらしい。ホッと息を吐くも、原因の張本人を睨む。
「残念。付けてないのか」
今日の女装を聞きつけたオビトが何処からか用意した下着。誰かに見られたら生きていけないような女性物のソレは、付けている意味を為さないような透ける素材で出来ていた。
「まっいいや。それより、食べさせてよメイドさん」
パフェを持ったオビトは黒板の下に腰を降ろし手招きする。スカートの裾を握って、横に並ぶように座ろうすると手に持ったパフェを渡され、腰を引かれる。
「わっ、オビト!」
オビトの上に跨がるように座らされた。傾いたパフェから黒いパーカーの上に数的落ちたクリームを、オビトの指が拭う。
「委員長、舐めて」
ジリジリと視線が絡み合う。結局いつだってこの勝負に負けるのは俺だ。目の前に差し出されたオビトの指を掴むと素早く舐めとる。
その意図を分かってか、オビトは不敵な笑みをこぼす。
「さ、あーん」
声を出して口を開けるオビト。
普通食べさせてもらう方が照れるんじゃないのか、と心の中で愚痴りながら枝の長いスプーンでアイスとクリームを掬い、さし出す。
「違う」
首を横に振ったオビト、顎をしゃくって口でやれと指図する。
「…そんなサービスしてない」
「右眼見えなくて距離感つかめねぇんだ。サービスくらいしろよ」
拗ねたような表情で俯く。すぐに絆されてしまうのを、本当にどうにかしたい。
スプーンを返して自分で頬張る。舌の上に広がる甘ったるいクリームの味に眉間に力が入る。甘い物は嫌いなのだ。ふやけた物も。
口の中に入れてしまうのも躊躇われ、舌先を伸ばしてオビトとの距離を縮める。
さっきまでの拗ねた表情は何処へやら、口角を引き上げた顔が近づいてくる。これから為れるパフェよりも甘い行為に気恥ずかしさを覚え、それ以上は目を開けていられなかった。
触れた舌先がビリリと痺れた。
「んっ」
「あっま…」
それでも全てを絡め取ろうとする舌先が、口内を蹂躙する。
ただ口を開けているだけなのに、舌先が思わぬ所に触れられて、ズキリと腰の奥が疼いた。
「…んっ」
腰が引けた身体を引き寄せようと服を掴んだオビトの手に、袖が肩から外れずり下がった。
「…委員長ってキスしただけで勃つよな」
「…ッ!!」
いや、まだ大丈夫なはずだ。気にしている事を告げられ、無意識に股間に手がいく。勃ってない。大丈夫。
「隠してるつもりかもしんねぇけど、さ。口ん中感じんだろ」
「ち、ちがっ…」
「すけべ」
これも、俺を恥ずかしがらせたいだけだと分かっている。分かっているのに、顔が熱くなるのを止められない。
いつの間にか、パフェを渡すよりもオビトと舌を絡ませる時間の方が長い。口の周りまでもべとべとになってきた頃、新たなリクエストを受ける。
これはちょっと…、避けていたバナナのリクエストに戸惑う。
「も、やだ」
「これで最後にする」
オビトは半分に切られたバナナを摘まむと、唇に押し付けてきた。
「むぅ」
「ほら、早く口開けろよ」
ゆっくりと口内に侵入してきたモノを歯を立てない用に上顎と舌で支えると、摘まんだ指でバナナを出し入れされ、キスで痺れた口内を擦られる。
「へへ、いい眺め」
「んんっ」
「美味しい?…俺のバナナ」
やるとは思ったが、最後に付け加えられた言葉に思わず咳こむ。
赤くなってるであろう顔を腕で隠し、オビトの膝の少し上に腰を落とした。
「なんでそんな遠くに座んの」
バナナをそのままもぐもぐと食べたオビトは、伸ばした脚を立てて、胡座に変える。動作と共にたっぷりとフリルの付いたスカートが捲れ上がった。
腿の上で滑ったオビトの手に腰を引き寄せられる。
ジーンズの布越しにも分かるオビトの兆したモノとぶつかる。
「ちょっ、ちょっと…オビト、ここでするつもりなの?」
「あ、今頃気付いた?」
押し退けようとする腕ごとオビトの腕が身体を拘束する。
「学校じゃ、しないって」
「んー委員長、今から俺んち来れる?無理だろ」
無理だけど、ここでするのも無理。でも、こうなったオビトを止められた試しは無い。
考えている内にオビトの手が下着に掛かる。無情にもずり下がる下着を両手で食い止める。
「だめだってば!オビト」
「先っぽだけで良いから、な」
既にギラギラした瞳に熱く見つめられて、腹の底でじわりと欲望が渦巻くのを感じる。
しかしここで流される訳には行かない。モラルとか、そうゆう問題で。
「学祭終わったら行くから!オビトん家!!」
すっかり尻が出てしまった下着を引き下ろそうとするオビトの手が、止まった。
諦めてくれたかと、ホッと息をつく間もなくオビトの視線に、次の難関が訪れた事を知らされる。
「…てか、履いてんじゃん」
まずい。ブリーフの下から顔を出した例の透けてる下着がオビトの目に触れてしまった。
爛々と輝き出したオビトの瞳に顔が引きつる。
「違うよ?コレは違うから…」
何の言い訳かも分からない言い訳が口を突き、慌ててブリーフを引き上げにかかる。今さら遅いかもしれないが。
「見せて」
「や、違うから」
「良いから、見せろ」
「やだ」
二人の手の間で、ブリーフがギチギチと音を立てる。
「パンツ…伸びる…からッ」
ふと視線が翳ったと思ったら、唇に柔らかいモノが触れ、次いで濡れた感触が這った。強引に合わせられた唇に、上体が仰け反り身体を支える為に後ろ手に手をついた。
「んむっ…」
べろりと舌を出したオビトの手がブリーフを腿まで勢いよく引き下げる。股間に縫い付けられるオビトの視線。
「ちょっ…ダメェッ」
隠そうとスカートの裾を掴んだ手を布ごとオビトの手が阻む。羞恥はピークに達した。
見られた…もう、ダメだ。死にたい。
恥ずかしさにオビトに掴まれた両腕も、閉じようとする両腿もぶるぶると震え出す。見られているだけなのに、股間もチリチリと反応している気さえする。
勃つな…勃つなよ。心の中で念じた。
「…気に入った」
喉を鳴らしてオビトが呟く。
「似合ってる」
「う…そだぁ」
口から出た言葉は既に涙声だった。
「泣く事ねぇだろ…すげぇ可愛いよ委員長」
力の入った身体を落ち着かせるように背中を撫でる手に、身を委ねる。
本当だろうか…。オビトよりは小さいとはいえ、やはり男の下半身を飾る物ではない下着を身につけている自覚はある。
こんなの喜んで履いてるなんて変態だ…。
オビトの胸ですんすんと鼻を啜っている内に、背中の感じる硬い床の感触にハッとする。
押し倒された。
「……そんな事言っても、騙されないもん。絶対、しないからね」
「いいよ」
ニヤリと笑ったオビトは、ジーンズの後ろポケットから携帯を取り出す。
「委員長のメイド姿で家帰って、オナるから」
「は?ちょっと…!」
片手で両腕を纏め掴むと、取り出した携帯を器用に使ってスカートを腹まで捲り上げられる。
ジタバタと足でオビトを蹴るも、気にしない様子で携帯を弄り何やらやっている。
「ムービーのがいいか…」
「やっ…オビト、冗談でしょ」
「ちょっと待て。ブリーフは邪魔だから脱いどこうな」
全く噛み合わない会話に焦りがつのる。
抵抗しようと曲げ合わせた膝は結果的にオビトの都合に良く、スルリとブリーフが脚を滑り落ちていく。
膝の間に割り込んだオビトは携帯を掴み直し、卑下た笑みで全身を舐めるように見た。
「ハメ取りってこんな感じかな」
「バカバカバカバカ」
ピローンという陽気な音を立てて携帯が赤く点滅しだす。
携帯の角度を変えて追ってくるオビトから身を隠せるはずもないのに、身体を捩って逃げる。
「動くなよ。ブレるだろ」
「やだ…オビト。やめてよ」
「なんで。どっかのブスより、可愛い委員長で抜くって言ってんの。協力して」
携帯を持った指先が、メイド服の前に編み込まれた紐を引く。ひんやりとした金属に胸元を覆うフリルを引き下げられ、掴まれた腕がビクリと強張る。
ゾクリと奔る電流が胸の先に集中して、乳首も勃ってしまっているだろうと思う。
「…お願い、オビト。も、恥ずかしくて死にそう」
「協力する?」
こくこくと頷くと、両腕の拘束が解かれた。瞳でどうすれば良いのかと訪ねる。
オビトは少し思案した後、見降ろす瞳を光らせた。
「委員長、俺の事好きって言って」
「…好き」
「感情がこもってない」
「はぁ?!…ッ」
内腿をオビトの手の甲が掠めるように撫で、触れるか触れないかの接触に足がビクンビクンと反応する。
「…それッ…やめ…て」
「じゃぁ早く。ムービー終わっちまう。…ヤってる時みたいなのちょうだい」
そんなの出そうと思って出るものじゃない。ましてや携帯を向けられて、いつもどうしてたかなんて思い出せなかった。
オビトのがいっぱいで、身体が揺れて、何がなんだか分からなくなる。思い出そうと行為を反芻して、居た堪れなくなり腕で顔を隠す。
「…好き」
「聞こえない」
腕をのけようと伸びて来たオビトのパーカーを引っ張る。
「うおっ」
倒れ込んで来たオビトを抱き締める。胸を満たすオビトの匂いに、あぁコレだと思う。
「好き。オビトが好き」
床に付いたオビトの手の中で携帯がムービー終了の音を立てる。
パチンと携帯が折り畳まれた音がして、オビトの腕が身体を包んだ。思わず漏れた自分の溜息の甘さにドキリとする。
これではまるで自分が誘っているようだ。
「も、もういいでしょ…離して」
「…良いワケねぇだろ。何だよ今の」
「なにって…んんっ」
髪の毛ごと頭を鷲掴みにされ、息もできない位に唇を、絡めた舌を吸われ食まれる。じんっと痺れた疼きは、鎖骨にぶつかり、胸を這って下半身へと響く。
「すっげえキた。もう我慢出来ねぇ」
言葉を紡ぐ間も与えずまた口内をいっぱいにされる。
舌を吸われると、本当に何も考えられなくなってしまう。オビトのパーカーを握る手も力が入らなくなり床の上に落ちる。
気持ち良い。痺れた舌の上をオビトの歯が滑り、身体を突き抜ける快感に背を反らせる。オビトのモノが擦り付けられた腰が波打った。
思い掛けず大きく、鼻から抜けるような喘ぎが漏れてしまい、はたと状況を思い出す。力の入らない手をオビトの顎に添える。
「ら、め…」
「ダメじゃねぇ」
苛立たしげにパーカーを中のTシャツごと襟首から引き上げたオビトを、条件反射的に手伝ってしまう。袖から抜いたオビトの手が肘を床に押さえつけながら二の腕へと流れるように撫でた。
乱れた髪もそのままに口付けを再開し、身体中を弄される。
至る所で結ばれたリボンを解いても一向に脱げる気配のないメイド服に、焦れたオビトが上体を起こして見下ろす。
「くそ、どうなってんだこの服」
「……」
「いい。俺がやる」
腹の横に付いたチャックを触った手を払いのけられ、何で俺はオビトにこんな事を教えてるのかと疑問が胸をよぎった。
「違う、違う!脱がないし」
べしりとオビトの手を叩く。
「お前なぁ…さっき協力するって言っただろ」
「エッチするなんて言ってないもん」
ガードする手をやんわりとオビトの手が包み、腹の上に戻され、ぽんぽんとここにいなさいとされる。
「しない、しない。触るだけ」
「…オビトは、すぐ嘘つく。俺、もう戻んなきゃ」
いくらなんでもサボり過ぎだ。交代の時間もあるし、と下げられたジッパーをまた上げる。
「あ、コラ!せっかく脱がせたのに戻すな」
「だって…」
ジッと音を立てて下がったジッパーが、最後にビリッと嫌な音を立てて止まった。
「げっ」
「うそ。破った?」
慌てて腰元を見やると白いフリルがはみ出している。
「どうすんのこれ…」
「どうしよっか」
捻った半身と床の隙間に身体を滑らせたオビトが、肩に顔を顎を載せて此方を伺う。
壊れたジッパーから挿し入れられた二本の指が、レースの生地越しに股間に触れる。
「あんっ」
引けた腰に後ろ側からオビトの熱が擦り付けられた。
「服も破れちまったし、委員長のちんちんも勃ってるし…もう戻れねぇな」
「そんな…怒られちゃ、う…んっ」
「今、戻ったって、どうせ怒られんだろ。サボっちまえよ」
前から脚の間に差し込まれた手が生地を避けて、尻の溝をマッサージするように指の腹で揉み込まれる。
「くっ…はぁ、はっ」
今にも入り込みそうな程に押し上げる指に、腰が逃げを打つ。オビトの腕に股間を押し付けるように腰が揺れる。
「見てみろ」
悪戯な笑みを浮かべるオビトの視線の先を追うと、柔らかなレースを持ち上げる自分の性器がヒクヒクと窮屈そうに頭を擡げている。
「出して欲しい?」
考えるよりも早く頭を縦に振っていた。オビトの手が下着のラインをいやらしく撫でて近づいてくる。ウエストを持ち上げられ、ごくりと溜飲が下がった。
「エロいなぁ」
持ち上げたウエストをそのまま引き上げられ、レースの生地が亀頭の上をザラザラと滑る。
「ひっ…あっ、やっオビトっ」
「気持ち良い?」
レースで押しつぶされた亀頭をもう片方の手の平で転がされ、声にならない悲鳴をあげて頭を振る。
「委員長、これ好きだろ」
良過ぎて、それは拷問に近い。二三度円を描いた手の平に全体を包まれて、肩で息をする。
カランと金属が転がる音に視線を投げると、オビトが取り出した軟膏のケースだった。
最初からその気だったのだ。
「やっぱり、…触るだけじゃ、ないじゃん」
「備えあれば憂いなしって言うだろ。ほら、足上げろ」
二本の指が軟膏を纏って尻の狭間を滑る。何度経験があろうと慣れない瞬間に、瞳を閉じて耐える。
項に感じるオビトの息が荒い。
取っ掛かりを見つけた指が侵入してくる。中をぐるりとしては出たり入ったりを繰り返し、徐々に深くなっていく。
息苦しさにオビトの方を見やる。真面目な表情をしているオビトとカチリと視線が合ってドギマギしてしまう。
「お前さ、…」
「な…に?」
「昨日、自分でした?」
「して…ない」
ふーんと鼻を鳴らしたオビトが視線を外す。
実は昨日、オビトからプレゼントである下着を試着してみて、…独りいたしてしまった。ちょっと指を入れてみたものの、上手くいかなかったのだが…、やはりわかるものなのだろうか。
「俺以外ともこうゆう事、してんの?」
「へ?」
突拍子もない投げ掛けに、間の抜けた声が出た。
「すぐ2本も入るなんておかしくね?」
オビトの疑問と俺のケツが緩い事が何の関係があるのかと最初結び付かず、間が空く。
「だから、他の誰かとアナルセックスしてんのかって聞いてんの」
指を引き抜いたオビトに肩を引かれて、真正面から顔を覗き込まれ、ガツンと頭を叩かれたような衝撃を受けた。
怒りよりも先に虚しさが込み上げる。声を出そうとした途端に涙が膨れ上がった。
しまった、というような表情のオビトが一瞬見えたが、視界が滲んで捉えられなくなる。
こんな事オビトとじゃなきゃしないし、したいとも思わない。なのに。
「わりぃ…ちょっと突っ走ったわ」
触れてきたオビトの手を身体を揺すって振り落とす。
「やだ、も、触らないで」
それでも身体を寄せてくるオビトの腕に抱き寄せられ、嬉しがってしまう身体が憎い。
「拗ねんなよ。委員長がそんな事出来るワケねぇって分かってんだけど…」
その言い種にも少しムッとする。
「オビトなんて嫌い…離して」
濡れた頬を骨張った指が擽った。あやすようなその仕草に、少し言い過ぎたかもとすぐに後悔する。
「俺は好きだよ。誰かに獲られたかと思って熱くなっちまう位には…。なぁ、まだ怒ってんのか?カカシ」
オビトはズルい。なんでここで名前を呼ぶんだ。
オビトの腕の中で身体を反転させ向き直る。何も身につけていない胸に額を押し付けるようにして呟く。
「本当は昨日、自分で…した」
「やっぱり、な」
頭の上でオビトの顎が髪をぐしゃぐしゃと綯い交ぜにする。
「でも、自分でしてもオビトがしてくれるみたいに気持ち良くなくって…」
「…安心した」
本当に疑ってたのかと顔を上げてオビトを睨むと、困ったように笑ったオビトはそうじゃないと言う。
「ちゃんと気持ち良かったんだな。お前全然そうゆう事言わねぇだろ。俺ばっかり良いのかと思ってた」
「オビトはAVの観過ぎだと思う…」
後頭部を軽く叩かれる。
「観てねぇし。カカシで抜くし。俺の中のカカシ、超淫乱だし。…つか、独りでする位なら呼べよ」
後頭部に置かれた手が地肌を逆撫で、ゾワリと背筋を悪寒にも似た快感が奔る。
「いっぱい気持ち良くしてやったのに」
オビトの指先に、声にすぐに火の付く身体を持て余す。
「勝手に…淫乱にしない、でよ」
「もう淫乱だろ?自分で尻弄ってんだから、さ。…今度見せろよ」
「絶対、やだ」
「見たいなぁ。なぁ、四つん這いになってやった?」
耳元で囁く声から逃げるように身をくねらせる。
「それとも、鏡の前で脚開いて…?」
昨日の痴態を思い出し、レースの下着を無意識に見ていた視線をオビトがあざとく見つける。
「へー、コレ着けてしたの?カカシも気に入った?」
ニヤニヤとだらしない顔をしたオビトの顔を押し退ける。
「もぅバカ!知らないッ」
「じゃあ折角だからカカシのリクエスト通り、付けたまま入れてやるよ」
身を起こして、足の間に座り直したオビトは自分のジーンズに手をかける。下着をずらすと、大きくなった性器が跳ねた。その一連の動作を見つめていると、そんなつもりは無かったが、煽るなとオビトが苦笑する。
軟膏を塗り込め膝を進めたオビトが、尻を撫でて確認する。パチンとズラされた下着が尻の柔らかいところを叩いた。胸に着く程持ち上げられた脚を掴んで協力する。ひたりと押し当てられた熱が、じわじわと範囲を増していく。
「はっ…力抜け、カカシ」
「っん…ふぅっ」
更に膝を進めたオビトに腰を抱え直され、反動にビクリと身体が波打つ。内部がオビトを食むように収縮するのが、自分でも分かって堪らなく恥ずかしい思いをする。
その上、脚の付け根を覆うレースの隙間から性器を取り出され、内部の摩擦の度にヒクヒクと反応している姿を晒される。
見られている事に耐えられず、オビトの肩に手をかけ引き寄せる。
「痛くないか…?」
「だいじょ…ぶ、だから」
オビトは結合部を見るのが好きだ。ゆっくりと律動を始めると、視線は常に下を向いている。
オビトの頭をしがみつくように抱き寄せると、尻を持ち上げる手に双丘を左右に割られ引き伸ばされた溝に腰を打ち付けられた。
「ひっうっ…あっオビトっつよいっ…あ」
何時もよりも性急な動作について行けず、しがみつく手にも力が入る。
胸の上で荒い息を吐くオビトが頭を抱える腕を解くと、更に抱えた腰を高く持ち上げ身体を二つ折りにされる。
真上から落とされる腰に、背骨まで痺れ、触れられていない性器がジンジンと甘く痛む。
視界の端で揺れるメイド服のスカートをオビトが押さえつける。
「あー…ひらひら邪魔」
その時、携帯が鳴った。
動きの止まったオビトが焦れったくて腰を蠢かせる。
「やぁッ…オビトォ…」
オビトは持ち上げていた脚を降ろして、音の在り処を探る。その間もオビトの腿に上げた脚を使ってあさましく腰を振ってしまう。
「んっ…んっ」
応えるように、立ち上がる性器をオビトの手が上下に扱きつつ、もう片方の手でメイド服に付いてるポケットから携帯を探し当てる。
「あ、リンからだ」
「んっ、いいよっ…後で掛け直す…っ」
シーッと口に指を当てたオビトがのし掛かって来る。まさかと思いつつも、深くなった挿入に息を詰まらせ背を仰け反らせた。
「もしもし?」
『あれ?オビト?カカシは?』
携帯からリンの声が響く。あわあわと口をわななかせるも、オビトは取り合うつもりは無いらしい。
「んー。今、取り込み中」
ジェスチャーで今すぐ切れと合図を送る。オビトはそれを見て、音もなく唇に口付けるとウィンクする。
違うそうじゃない。
『何が取り込み中よ。早くカカシに代わって』
呆れたようなリンの声に、今度は今すぐ抜けとジェスチャーを送る。
グチッと濡れた音に心臓がバクバクと早鐘を打ち始める。信じられない事に、オビトは腰を振り始める。胸を叩くように押し返す。
「今は無理だって」
『何かあったの?そろそろ交代の時間なんだけど』
「いてーな」
『えっ?なに?』
片手で防御しつつ、動きを止めないオビトがニヤリと口角を上げると、ある一点目がけて身体を揺すり始める。
「なんでもねぇ。お前がスカートなんて履かせるから、カカシのやつ腹痛いってさ。今、便所行ってる」
オビトの腕に捕まり、声を押し殺すのがやっとで、それ以上二人の会話を追うのは無理だった。
丸い先端に前立腺を押し上げられる度、濡れる感覚と共に立ち上がった性器にジンジンと快感が集まって来る。身体を丸めてその衝撃に堪え、悪寒にも似た寒気を振り払うように頭をぶるりと振るう。
それでもなお、快感を拾い上げる内部の収縮は止める事が出来ず、次から次へと新しい波がカカシを襲った。
ずっと息を止めているわけにもいかず、発作を起こしたように短く静かに息を吐くと、痙攣する胸元をオビトの手のひらが撫でた。
携帯を耳から離したオビトは、カカシにしか聞こえないような息だけの声で耳朶に唇をくっつけて囁やいた。
「…もう、イクだろ」
低い潜んだ声はビリビリと骨に響き、涙で濡れた頬をオビトに擦り付けうなづく。大きく腰をグラインドさせ、奥まで深く入って来たオビトに息を吐いて堪える。我慢する程に内腿の痙攣は酷くなる一方だ。
「じゃあ、そうゆう事だからよろしく」
機械音と共にオビトは携帯を投げ出し、尻に触れたままの腰をリズカルに押し上げて来る。
「もう声出していいぞ」
「ふっふー、…っふぁ…も、イく…っん、んんっ」
突き入れられる度に、たらりたらりと白濁が腹を汚した。
勢いの止まらないオビトは更に腰を進めて来て、押し上げられた半身が壁にぶつかる。
頭を壁に載せて息を整えようとすると、追いかけてきたオビトに唇を噛まれ、吸われて、喘いだ隙に舌を引き出され、痺れる程に強く吸われた。
ずっと濡れ続けている腹の白濁を塗り込めるように動いていたオビトの両手が、スカートを捲り上げながら、両の胸の先に到達する。
入り口ギリギリまで引き抜かれたオビトが、腰だけで最奥を目指す突き上げに、合わせられた唇の隙間でくぐもった喘ぎが響いた。腕を伸ばして、動き続けるオビトの腰を掴んで抑止するも、今度は胸の先を爪の先で擽られて全身が性器になったように感じる。
「あ〝ぁぁあ」
逃げる身体を壁との間に追い込まれて、何処へも行けない。渦巻いた快感はまた腹の奥から吹き出そうとしている。視界が白く霞んだ。胸を弄るオビトの手に自分の手を重ねる。
「オ…ビト…っダメ、またイ…クッ、はぁあんっんーッ」
ビクビクと痙攣する身体をオビトの手が撫でた。
「あ…あ…いま、ダメ…触っちゃ」
余りの余韻の大きさに耐えられずにオビトの手を避けるように膝を閉じて身体を丸めてやり過ごす。
「つってもなぁ」
片脚を抱えられて、角度の変わった挿入にビクリと身体が跳ねた。
「早くしねぇと、そろそろリン来ちまうぞ」
「なっに…それ」
「さっきお前の着替えとカバン持って来いって頼んだ。…動くぞ」
乱暴に腰を打ち付けられたられ、言おうと思った言葉は意味をなさない単語となって口から零れる。
「くっ…は…っ、バカッ…んっ」
「しゃべんな。舌噛むぞ。も、出るから」
肉のぶつかり合う音と二人の息を吐く音が混ざり合う。
「っは、…すげぇ」
脚を抱え直したオビトはよれた下着ごと臀部の肉を指で掬う。拡げられた後腔を更に開かされ、もう片方の指で淵をなぞられる。オビトの視線が更に羞恥を煽る。
「頑張れば、このまま指も咥えれそう」
ゾッとするような呟きに、オビトを咥え込んだ後腔がギュウッと狭まるのを感じた。
「なぁ、うち帰ったら試してみようぜ」
覆いかぶさってきたオビトに顎を引かれる。
「ぜったい…いや」
ふっと笑ったオビトは口を開いて舌を差し出してくる。誘われるままに、はむりと齧ってやると動きを止めて背中を震わせた。
中が濡れる感触に、そのままジッとしてオビトの顔を観察する。
「…いっぱい出てるね」
「そう、だな」
短く息をついたオビトは、二度唇を啄ばみ、犬のようにぶるぶると頭を振り、流れる汗で粘着が弱まり取れかかった眼帯をむしり取った。
青紫に腫れる瞼にそっと口付ける。オビトは名残り惜しむように数回腰を進めて、ゆっくりと引き抜いた。
「あーまだ足んねぇな」
しかし、そこからは早かった。オビトはずり下がったジーンズを引き上げるとサッサと前を閉めて、Tシャツを着る。
呆気に取られていると、着て来たパーカーを頭からスッポリと被せられた。
「はい、腕出して」
メイド服の脇のジッパーも壊れたままに、引き上げれるところまで閉められた。キョロキョロとスカートの左右を確認すると解けているリボンを結んでくれた。
乱れた髪も手ぐしで大雑把に整えると、リボンのカチューシャの位置を調整する。
「よし!可愛い」
最後に両手で頬を包まれ、キスまでされた。
パタパタと廊下を走る足音が聞こえる。
「お前はここにいろ」
廊下へと出たオビトが後ろ手に扉を閉めると同時に、「げっ、なにその顔!」というリンの声が聞こえた。
心許ないスカートの裾を握りしめて、オビトに言われた通りに大人しく、リンが立ち去るのを待つ。やけにスースーすると思ったら、教壇の影にもう一枚の下着が落ちているのに気付いた。
おずおずと腕を伸ばすと、腿を伝う生暖かいものにギクリと固まる。中に出されたオビトの精液が溢れて来ていた。
瞳を閉じて、意識して脚を閉じる。ゆっくりとブリーフを掴み取り、今度はティッシュを探して辺りを見回した。
窓際に備えられたロッカーに置かれているのを発見し、そろりそろりと近づく。
後方で扉が開く音に驚き、また新たな雫が腿を伝った。
内股で歩む姿にオビトは、目を見張る。
「なにやってんだ?カカシ」
オビトの能天気な声に、へたりとその場に座り込む。
「ほら、着替えとカバン」
隣りに来たオビトは、リンから預かったモノを差し出してくる。
「リンは?」
「戻った。お大事にってよ」
ホッと胸を撫で下ろし、オビトの腕に手をおく。
「ね、オビト。あそこのティッシュ取って」
オビトは、ロッカーから取り出したティッシュ箱を床の上を滑らせると、カーテンをめくって外を眺める。
「委員長、今日自転車?」
「うん」
返事をしながらスカートを捲り上げ、腿の裏側に伝ったモノを拭き取る。
「なにしてんの?」
「なにって…垂れてきちゃったから」
拭いてると言おうとして振り返ると、オビトが片手で両目を覆っていた。
「何か、…見てはイケナイものを見た気がする……………ちょい勃った」
「え…」
足速に近寄ってきたオビトは、ブリーフをカバンに詰め、着替えのジャージを投げてくる。
「速攻で帰るぞ」
機敏に動けない身体をもそもそ為せていると、焦れたオビトに無理矢理ジャージを引き上げ、尻を叩かれる。
「ひゃっ…!」
シャキッと伸び上がったところを、スカートを引っ張られて、真っ黒なパーカーにスカート、そしてジャージ姿で手を引かれる。
「ま、待って、待ってオビト!そんな速く、歩けなっ…」
振り返ったオビトは怒ったような、照れたような顔であーもうと呟く。
カバンを前側にずらして、目の前にしゃがみ込む。
「乗れ」
これは、…おんぶされるという事だろうか。
「早く!」
おずおずとオビトの背中に身を預ける。物心付いてから、誰かの背中に乗るなんて事はなかった。やけに気恥ずかしい。
「恥ずかしいよ、オビト」
「うるせぇ、俺だって恥ずかしいんだから我慢しろっ」
オビトは立ち上がると、背負い直す仕草をして歩み出す。後ろから耳が赤くなっているのが見えて、それ以上なにも言えなくなってしまう。
誰かに会いませんように。
オビトの肩に回す腕に力を込め、顔を隠すように鼻先を背中に埋める。
「カカシ…それ以上動くな。おとなしくしてろ」
「ん…」
触れた鼻先からオビトの匂いが胸を満たし、いっぱいになる。胸に仕える言葉をどうしても吐き出したくなる。
「オビト」
「あ?」
「オビト…好き」
「…ッ」
オビトの体制が傾き、支えらていた手が身体を離れて、ずるりと背中から滑り落ちる。
「うわっ」
間一髪のところで、脚を掴み取ったオビトの手によって背中の上に引き戻された。
「お前なぁ…、今の態とだろ」
「えっ?」
「覚えてろよ、帰ったらお仕置きな」
「えっ?なんで?なにが?えっ?」
「ったく。カカシの癖に生意気…」


Fin


秋山こいとさまより素敵な二人をいただきました…っ!!宝物です!
カカチがかわゆい…そしてオビトのTシャツ欲しいっっ!!

委員長のメイドイメージは前回更新したやつです…