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2013年9月29日 |R-18|

注意書き OKな方のみ推奨!
■カカシ×オビト にょたである
■カカシ19歳、オビト20歳くらいをイメージ
■オビトの片目はカカシに移植済み
■オビト生存(マダラじぃじと同居中)設定
■18禁
■以外は平和パロな木の葉の里設定
友達以上恋人未満

登場人物
はたけカカシ…へたれ攻め
うちはオビト(女)…よく泣く
猿飛アスマ(カカシの友人…紅とお付き合い中)
夕日紅(オビトの友人)
うちはマダラ(オビトと一緒に住んでるおじいちゃん)
目次 ※全体が長いので分けました。項目クリックでそこまで瞬身の術します。
『chapter1』
『chapter2』
『chapter3』
『chapter4』
『chapter5』

『chapter1』
夏も終わりかけの9月。
暦の上ではもうすぐ秋分の日が来ようとしているというのに、未だにじっとりと湿気を含んだ生暖かい風がカカシの長めの前髪を揺らし、
木の葉の隙間から漏れる日差しが鬱陶しく衣服に熱を伝える。
任務明けの気だるい午後をお気に入りの場所で過ごすにはまだ少し暑い。
地肌を伝う汗に眉を寄せ、空を仰ぎ見て日の傾きを確認すると、オビトとの約束の時間まではまだ少し時間があった。
涼しいところに移動しようかとした時、少し離れたところから声が聞こえてきた。
「だからー、付き合うんだったら年下はないって」
「オビトの好みじゃ年上過ぎよ。まったくジジ専なんだから」
オビトと紅の声だ。
「そうか?自雷也さま素敵だと思うけど」
「素敵…ねぇ。まぁかっこいいとは思うけど親より年上ってどうなのよ」
「愛に年の差なんて関係ねぇよ。…ところで紅こそ、アスマとどうなってんの」
「えー。知らなぁい」
「ちょっと聞かせて貰おうか」
「ふふ。じゃ、あんみつ屋寄って行こ」
楽しそうに話しているオビトの姿に約束の時間には帰って来ないだろう事を予測する。
ま、時間に遅れてくるのは今に始まったことでもないか。
一人心の中で愚痴て二人の姿が見えなくなるのを確認し、木の枝から音も無く地面へと着地する。
自雷也さまねぇ…。
「カカシ!おっぱい揉んでくれ!!」
唐突に顔を真っ赤にさせたオビトが声を張り上げてカカシに頼んで来たことを懐かしく思い出し瞳を眇めた。
もうオビトが戻って来て5年か。
あの頃、オビトは人並みよりぺったんこな胸と、なにより半身を覆う移植の傷を気にしていた。今でも良く良く見ないとわからない程に薄くはなったものの完全に消えたわけではない。
自雷也さまが胸の大きな女性が好きだという噂を聞きつけ、誰に吹き込まれたのか「揉んでもらえば胸は大きくなる」という話を真に受けたオビトは幸か不幸か相手にオレを選んだ。
今日の約束も、その為だった。
オビトの胸も今では大きめの俺の手の平を余る程に成長していたが、オレが暗部に入った今も週に一度のペースで続いている。
先にオビトの部屋に行ってようかな。
主が居ない部屋に上がり込むのは少々戸惑われたが、約束の時間を守らない方が悪い。
丁の良い言い訳を思いつき、カカシは足取りも軽くオビトの家へと向う事にした。

『chapter2』
「勝手に人の部屋に入るなよ」
開口一番、オビトはカカシに向かって不機嫌な顔で言い放った。
「暑いのに外で待ってろって言うの?約束の時間はとっくに過ぎてるよね」
「…ったく」
ため息を吐いて着ていたベストをハンガーに掛けるオビトの背中に忍び寄り後ろから抱きしめる。
「ぎょわッ!」
長く伸ばした黒い髪に鼻先を埋めてオビトの匂いを吸い込むとオビトはむずがり、カカシの顎を押し退けた。
「お前なぁ、気配消すのやめろって言ってんだろ」
「…ねぇ、このままシても良い?」
「なに盛ってんだよ、離せ。風呂入ってくっから」
「良いよ。オビトの匂いが消えちゃう」
ジッと綺麗な二重がカカシを睨み上げる。
「俺、お前のそうゆう変態くさいこと言うところ嫌い」
オビトの言葉にピシリとカカシの顔が固まった。
といっても、顔の大半は布で隠しており表情は完全に見えてはいないだろうがオビトはこの「嫌い」がカカシに大打撃を与える事が出来る事を理解した上で使っている。
そして、抵抗する訳でもなくジッとカカシを見つめてくる。
無言で睨まれることに耐えられなくなり、両手をあげてオビトを解放した。
「…降参。行ってらっしゃい」
「よし」
さながら犬と飼い主のような図式が、更にカカシの心を塞がせた。
「こっち見んな」
「見るのもダメなの…?ひどい」
「そうじゃねぇよ。着替えっから」
「…今さら照れる事ない…わッ」
オビトの背よりも少しだけ低いタンスの上に置かれていた、目覚まし時計が飛んでくる。
パシッと手のひらに収まる固い感触に、頭に当たったらどうするのよ…とつぶやいてオビトのベッドに顔を伏せた。
くんくんとその匂いを堪能している内にタンスから着替えを用意したオビトは変な事すんなよと言い残して部屋から出て行く。
はっきりと付き合うという宣言は無かったものの、行為の延長上セックスに持ち込んだ回数も一度や二度ではない。
オビトの初めての相手はカカシだったはずた。
カカシの頼み勝ちな感は否めないがそれは合意の上だったし、オビトの性格上、カカシに好意を持っての事だと信じている。
好きでもないやつとシないよね…。
「付き合うなら年下はない」
先程聞いた紅に話していたオビトの声が蘇る。
あれって俺の事だったのかな。
…俺におっぱい揉ませて気持ち良さそうにしてるくせに。
カカシの中で気弱な気持ちとそうじゃない気持ちがぐるぐると渦巻く。
「あー、もう!オビトが何考えてんのかわかんない」
********
「遅いッ!」
オビトの部屋のオビトのベッドの上で窓に備え付けられたカーテンの隙間から顔を出したカカシはむくれていた。
「悪かったって…つか、何してんの?」
「月、見てた」
オビトは風呂上がりの忍服に見えそうで見えない短パンという姿でベッドの上をよじよじとカカシの隣りまで四つん這いで進んでくる。
風呂上がりの良い匂いがカカシの元へとふわりと広がり、カカシを刺激し、
努めて冷静を装うも、むずむずとする手のひらが身体の中の血液が急速に走り出した事を伝えてくる。
「もうなんだか秋っぽいなぁ」
「うん。今日は月が綺麗…って、これ深い意味はないから」
取ってつけたような良いワケに胡散臭そうな顔でカカシを見つめ返したオビトは、そういえば…と思いついたように話し出す。
「お前、そろそろ誕生日だろ」
「あ、プレゼントなら要らない。そんな年でも無いし」
「そっかぁ?」
「それに、コレだけで一生分のは貰ってる」
カカシは自分の傷が付いた方の瞼を指差した。
「ふぅん、ま、お前がそう言うなら…いっか。それに、どうせどっかのくノ一達からどっさり貰うんだろ?」
「ヤキモチ?」
「…ちげーし」
ふいっと顔を背けたオビトはベッドに置いてあった時計を取り、目覚ましをかける。
「よし。こい」
「はいはい、只今」
30分。
これはオビトが決めたタイムリミットだ。
ベッドの端に腰掛けた万歳の格好をしたオビトの後方に移動する。
「触るよ」
「どーぞ」
わきわきと両の手の平を動かし、オビトの服の上から柔らかな頂きをそっと手のひらで包む。
オビトが少しだけ息を詰まらせたのが直に伝わって来て、思わずカカシも息を飲む。
毎回初めてのように身を硬くし、緊張するオビトにカカシもつられているのかもしれない。
「オビト、緊張してるね」
「うるせー、耳元でしゃべんなっつってんだろ…」
オビトは、あーと声を出してわしゃわしゃと耳の付近の頭を掻く。
ガサツな態度も感じているのを隠そうとしているのだと思うと可愛らしくて堪らない。
「だから、今さら恥ずかしがる事無いと思うんだけど…」
「黙れって!」
「…じゃあ、オビトが黙らせて」
振り返ったオビトに向かって口布を下げニッコリと微笑む。
口布を取ったカカシの素顔は男女問わず見惚れる程、美しい造形をしており、オビトもまた例外では無く、蛇に睨まれたカエルのように大人しくなった。
「なんか、むかつく…」
悪態を付いても、ちらりとだけ一瞥して視線を逸らしたオビトが、俺の口布を取った容貌をオビトが気に入っているのは知っている。
ぽってりと厚い唇が少しだけ開いて中の舌が覗いた。
もう一押し。
指先が固くなり始めた乳首を掠め、オビトの唇が母音の形に開かれる。
伺うようにオビトの下唇をチロリと舐めてやると、腕の中で身じろぎつつ瞳を綴じてカカシの口付けに応じた。
「んっ…は」
乳房というのは脂肪から出来ているからか、最初はひんやりとしているように感じる。
カカシの手のひらで暖めている内により一層ふんわりと膨らんでいくようだった。
頃合いを見計らい、シャツの中へと手を忍ばせる。少しだけ抵抗しようとするオビトの顎を掴み口付けを深くする。
いつも、直接触ってしまえば大人しくなるのだ。
指先だけでその日オビトが付けているブラジャーがどんな物か当てるのが、カカシの密かな楽しみだった。
「フロントホックの青」
はふはふとカカシの首筋に額を擦り付けオビトが息を整えている間に、シャツを捲り上げてしまう。
「ん…」
「ぬぎぬぎしようね」
ふるりと頭を振ったオビトの髪が真白な乳房に散らばった。
「…しない」
「今日は着たまま?」
両側から乳房ごと包みこむようにしてホックを外すと、ピンク色の乳輪が見えるか見えないかの内にシャツを元に戻されてしまった。
「…残念。そんなに見られるの嫌?」
「や…だ」
「ケチ」
キュッとシャツの下から主張していた両側の乳首を摘まむ。
「あっ…ん、んっンん、それ、やっ…ぁ、んっ」
可愛い声に何度も同じ動作を繰り返している内に、逃げようと身を竦ませたオビトがずるりとシーツの上を滑りベッドから落ちそうになり、
カカシは後方に下がりオビトをベッドの上に足まで引きずり上げた。
上着が捲れて下に履いている裾がふわりとした短パンが見える。いかにも寝巻きといった感じでゆったりとしたそれからすらりと伸びた白い足は、つま先までほんのりと薄く桜色に色付いている。
重ねるようにして合わせられた膝を割り、滑らかな内腿を指の腹でなぞる。
反射的にビクリと閉じられた腿が柔らかくカカシの手を締め付けた。
「ね…脚、開いて」
「やだ…」
「触んないから、ね」
「……」
「おねがい」
おずおずと膝を少しだけ開いた状態でカカシの手を取り、自分の乳房へと戻す。
「すけべな事考えてないで、ちゃんと、揉め」
「…おっぱい揉ませといて、すけべな事考えるなって方が無理でしょ」
「何も考えるな。無心で揉め。…後、乳首は触るな」
「そんな無茶な…」
「いーから」
悲しいかな、今日は最後まで持ち込めそうにも無いと見切ったカカシは、オビトの言いつけ通り無心を心掛け、柔らかな肉を揉んだのだった。
『来週はお前の誕生日の日な』
帰り道、カカシは目覚まし時計が30分のタイムリミットを告げた後、オビトが放った言葉を反芻する。
誕生日なのだから、これは期待しても良いだろう。
オビトとそういう行為をするのはとても久々な気がする。
無意識にうきうきと弾んでしまう心を抑えカカシは指折りその日を待った。
********
「なによオビト、相談って…」
その日オビトは紅に奢ると連れて来た甘味処に居た。しかし、運ばれてきたあんみつにも口を付けず、紅の向かい側で俯き、じっと机の木目を見つめている。
「黙ってちゃ、わかん無いでしょ」
紅は頬杖を付き、既に食べ終わった空の器にスプーンをくるくると回しオビトの様子を伺っていた。
「良かったら俺のも食べて」
「めずらし。本当どーしちゃったの」
「食欲無くて…」
「ふぅ~ん。じゃ、遠慮なくいただきまーす」
もぐもぐとあんみつを口に運ぶ紅は、アスマと付き合って長い。オビトよりも経験豊富だ。
「なによ、恋でもしたっての?」
オビトはたっぷりと間を置き、重々しく口を開く。
「あのさ、…その、…気持ちいいセックスってどうやんの?」
「ぶふ…ッ!」
真顔で聞いたオビトの顔面に、紅が吹き出しだ寒天がHITした。

『chapter3』
オビトの部屋を見上げると部屋に明かりが灯っているのが見えた。
約束の時間通りに部屋にいるなんて珍しい。
この日を指折り数えていたカカシの想いは、確信へと変わる。
できる。今日はデキル気がする。
瞬身の術でオビトの部屋の窓の脇に移動すると、コンコンとガラスを叩くと、
ベッドに寄りかかり背を向けていたオビトがビクリと跳ねて振り向いた。
「ちゃんと玄関から入って来いよ」
愚痴りながらも立ち上がり、窓のカギを開けてくれた。今日は既に風呂にも入ったらしく、部屋着である短パンから惜しげもなく脚を晒している。
「なんか気が急いちゃって」
「なんだそれ…」
「ん、なんでもな~い」
「…やけに上機嫌だな、きもちわりぃ。プレゼントはないからな」
「そうなの?」
「お前、要らないっつっただろ…ん、…ベスト痛い」
いつもの定位置に収まったオビトは、椅子の肘を叩くようにカカシの脚を両手でぽんぽんと叩く。
「はいはい」
ベストのジッパーを降ろしながら髪の間から覗くオビトの耳に鼻先をすり寄せ、カカシの手のひらサイズに成長した膨らみを背後からそっと包むと、アンダーと下着越しにふっくらとした柔肉が手のひらを押し返してくる。
肩を竦ませてカカシよりも一回り小さな身体を更に小さくさせたオビトが背中を押し付けてきた。その小動物が自分に全てを預けるしぐさのような様子に愛らしさを感じてカカシの胸は音を立てて軋む。
甘やかしてオビトがぐずぐずになるまで愛したい。
裾から覗く腹に手を回し身体を引き寄せた。くったりと力の抜けたオビトのずり上がったアンダーの中に手を差し込む。
「今日は目覚ましセットしなくて良いの?」
「……」
「マダラさんも、いないみたいだね。お出掛け?」
「柱間んとこ遊びに行ってる」
オビトはカカシの胸の上に上気した頬を乗せ膝頭を擦りあわせて小さく息を吐いた。
白い太腿の間に出来た隙間に手を差し込み、ビクリと跳ねた脚を左右に開かせる。太腿の肉を揉みながらカカシの指が肌の上を滑る度、かかとを上げたオビトの脚が空をけりプルプルと震えた。少し触っただけなのに感じているのが見て取れカカシは逸る気持ちを抑える。
膝を上げられ、赤ン坊がオシメを取り替えられる時のような格好をしたオビト。指先が身体の中心に近づいて行くと息を詰まらせ、カカシのアンダーを握しめた。
脚の付け根に沿って指を添え、むにむにと指を動かす。ピッタリとした短パンは尻の輪郭を露わにし、カカシが指を左右に引く度にクンッと控え目に腰が揺らめき、その割れ目を浮かび上がらせていく。
「気持ち良い?オビト」
「…ンッ…ンん」
コクリと素直に額をカカシの肩に額を擦り付けたオビトが可愛くて、割れ目に手を添え滑らせる。ビクリと反った腰を流れるように一撫でにしてオビトのアンダーの裾へと手を忍ばせた。
「ッ」
下から掬うようにすると、アンダーがたぷたぷと揺れる胸に合わせて波立つ。親指の腹で脇に流れた肉を寄せると手のひらの下で硬く上向いた乳首が下着からはみ出てしまっているの事に気付く。
直接見たい衝動に駆られて、オビトのアンダーを捲り上げた。何時もなら恥ずかしがって止めにかかる手は、カカシのアンダーを握りしめたままだった。
瞳は固く閉ざされたまま…。淡い期待はズクンとカカシの腰へと直接響く。
ゆっくりとオビトの様子を伺いながら、捲り上げたアンダーは胸元にひっかかり、たぷんと揺れる乳房が現れる。
オビトにしては珍しい1/3カップのショコラケーキを思わせる色合いの可愛いブラジャー。白く柔かそうな肌がクリームを、紅く色付いた乳首が果実のように顔を覗かせていた。アンダーを全て脱ぎ去るとオビトの長い髪が、はらはらと白い肌に散る。
意図せずカカシの喉が音を立てて鳴った。
カカシの視線にオビトは口の端を下げて軽く震え、羞恥に目元には早くも涙が滲んでいる。
「これって…期待していいの?」
「なにっが…あッ」
カカシの為に着けたであろう可愛らしい下着。左側のカップに右手を滑り込ませ、むにりと大きく摘まんだ先を左手の親指と中指の腹で扱く。オビトは左側の方が敏感で感じやすい。
「ひぅっ…んっ、ん…」
「やだ、どうしよう…もしかして、下もお揃い?ねぇオビト」
カカシの愛撫に更に硬さを増した乳首に軽く爪を立てクニクニと指先で円を描く。
「ちがっ…ゆび、乳首ばっかり、だめぇ…ちゃんと揉めよぉ」
オビトはよく泣く。気持ちが良くてもすぐに涙をこぼし、大きな目の淵を充血させ目元を薄紅色にさせる。
はふはふと息を吐いていたオビトは今にも零れ落ちそうな大粒の涙を溜めて上気させた頬を僅かに膨らませる。
その膨らんだ頬を指先で撫でる。するりと手触りの良い肌の上から柔らかな唇へと滑らせる。
「うー」
むずがる子供のように、身をよじってこちらを向いたオビトの下唇を食む。その甘い唇にカカシは自分の唾液が溢れてくるのを感じた。
暴走してしまいそうな自分を心の中で叱咤する。
「ん…」
「可愛いけど、コレ、俺以外の前で着けちゃ駄目だよ」
「…はぁ…にゃんれ?」
オビトはカカシの唇を見つめ、自分の唇を舐める。ゾクリとカカシの腰が疼いた。
「オビトはただでさえ可愛いんだから…こんなの着けてたらその辺の悪い奴らにイタズラされちゃうよ?」
「…そんな事ない」
「ある。それにコレ…ちょっと動いただけでブラジャーからおっぱい飛び出るし、ほら」
カップの中に手を滑り込ませ乳房を押し上げ、
普段直接見る事が許されない淡い色の乳首を前に兼ねてからしてみたかった事を試みる。
舌を出したカカシに、オビトが次の行動を予想したのか手の平で胸を隠す。
「何する気だよ」
「なにって…」
柔らかい乳房に埋まったオビトの指を数本つまみ上げる。
「乳首舐めたいんだけど」
ぺちんとオビトがカカシの額を押しのけようとする。
「いたっ…」
「は…恥ずかしいから…あ、後でな」
「じゃぁ、下も見ていい?」
ウエスト部分が緩めのゴムになったところを両脇から膝側に引き上げた。
何か言いた気なオビトの目線を感じるが、抵抗する気は無いようなので敢えて気づかない振りをする。
「…こっちも大分、布が少ないみたい」
恥ずかしいのであろうオビトは、両手をパタパタと忙しなく顔の付近でバタつかせているが、何時ものように「嫌だ」「やめろ」と言う言葉は発しない。
「そんなに大人しいと、俺、調子にのっちゃうよ?いいの?」
肯定も否定もしない。オビトはただ黙って顔を手の甲で隠す。
カカシの言っている意味が分からない訳ではないだろう。一体本当に今日のオビトはどうしてしまったのだろう。
乱れて顔にかかるオビトの髪を耳にかけてやると、痛々しい程に紅く色付いた耳が見えた。オビトが否定しないということは肯定ととって良いのだろう。
カカシは身を滑らせ、オビトの膝にひっかかた短パンを引き抜きながらベッドを降り、床に膝をつくと、オビトの腰を掴んでベッドの端まで引き上げる。
「あっ…、なにっ」
シーツの上を引きずられた事によって、後ろにずれ上がったショーツが柔らかな肉の谷に埋れ、なだらかな丘を露わにした。
下着姿で組みしだかれるオビトなんて、余り見れる機会はない。カカシは瞳に焼き付け、腰に回した手で、オビトの両腿を左右に開く。
「オビトを、…食べる」
言うなり、ブラジャーと同じ柄のショーツに隠された股間に顔を埋めた。
「んっ…あ、カカシッ…や、汚い」
オビトの手が髪に触れ、足の裏がカカシを押し返そうと肩口に乗せられる。震えて力の入らないオビトの手に指を絡ませ制御する。
「汚くない…し、それにオビトの匂い、興奮する」
自分でも異常なほどに鼻息が荒くなっている事に気付く。みっともないとも思ったが、噎せ返るようなオビトの匂いに、止めることは出来なかった。
左手でオビトの手をまとめて、右手で面積の少ない下着をずらす。糸を引いたオビトの体液に吸い寄せされるように舌を伸ばした。
オビトの息を呑む音が空気を揺らす。
舌先で輪郭を確かめていたものの、ヒクリヒクリと別の生き物のようにカカシを誘う収縮に、唇で全体を覆うようにして中にまで舌を這わせた。
オビトは時折身を強張らせ、カカシの左手をきゅっと握り返してくる。
オビトの反応全てが堪らなかった。鼓動と共にズキンズキン膨れ上がる欲望。
カカシは自ら、下穿きの前を寛げ硬くなったものを取り出す。それはべっとりと先走りによって濡れていた。
舌先を締め付けるオビトの膣壁に己のペニスを擦り付ける様を想像し、腹の底から滲み出す快感にぶるりと腰が震える。
カカシの唾液の所為だけでは無くオビトの体液によってテラテラと卑猥に唇肉から、紅く張りだした陰核までを舐め上げる。
仔犬のような声で喘ぐオビト。
後ろにまで伝った蜜は後腔をも、妖しく輝かせる。人差し指と中指でどこまでも白い肉を押し広げると、オビトの控え目な後腔からピンクの内壁が覗く。
そちら側にも舌を這わせようと身を寄せた時、床の上でカカシの膝に何かがあたった。
カツンと音を立てて転がった物体に目をやると、オビトにしては珍しいピンク色をした花柄のポーチが見える。
化粧品かな。
当たらないよう寄せておこうと手を伸ばし、中の感触にカカシは眉を寄せ、もう一度感触を確かめる。
これって…。
嫌な予感に星のキーフォルダを引いてポーチを開く。
「カカシ…?」
動きの止まったカカシを不思議に思ったのか、オビトが身を起こした。
「オビト…なにこれ」
ベッドの上でポーチを逆さにする。ボトボトと布団の上にガラスで出来た張り型と、ピンク色をしたローターが落ちた。
オビトは慌てた様子で、それらを隠そうと身を起し布団の上に腕を伸ばす。急速に冷えていく自分の気持ちを感じながらその姿を見る。
オビトが自らこんなものを買ったとは到底思えない。では、何でこんなものがここにあるのか。
張り型はご丁寧に突起が散りばめられた大物だし、もうひとつはどう見てもアナル用のものだ。
「オビト。どうゆうことか説明してくれる?」
「な、なんでもない」
「なんでもないって事、ないでしょ」
「お前には関係ねぇ」
お前には関係ない…。オビトの言葉が頭の中を反芻する。
「へぇ、じゃあ誰が関係してるの?」
「そゆ、事じゃ…なくて…」
カカシの気迫に怯えたオビトはベッドの上を壁の方へと後ずさる。
「これ、誰と使ったの?」
「あ、…だから…」
詰め寄るようにして覆いかぶさるカカシに、オビトは壁に寄り添うようにして身を寄せ、カカシの動きにビクリと肩をすくませた。
「あ、…ひぁ」
背骨の隆起に沿って指を滑らせる。
先ほど確認したピンク色の内壁を犯した者がいるというのか。カカシは抉るようにしてオビトの後腔へ中指を突き入れた。
「やッ…ンんッ」
カカシの指は意図も簡単に飲み込まれ、暖かい肉壁がしっとりと吸い付いてくる。
「…嘘でしょ…」
こめかみを金槌で叩かれたような衝撃がカカシを襲う。信じられない。
確かめるようにもう一本、薬指を足してみる。柔軟に拡がる肉は、それをも飲み込んだ。
「カカシッ…やめっ」
それでも信じられないカカシは逃げるように壁伝いに這い上がったオビトを壁に押し付け、ショーツを引き下ろす。
二本の指は確かにオビトの後腔にぴっちりと収まり、真っ白な尻がぷるぷると震えている。
ガンガンと頭痛がする。
付き合うなら年下は絶対ないって
既に年上の相手が出来たのだろうか?
いや、でも
俺の事は本当に何とも思ってなかった…?
なのに、俺にあんな事させてたの?
ぐるぐると思考が絡まる。
「カカシ、…ユビ、抜いて…ッ」
それでも高まった性欲は収まる事なく、後腔で指を食み腰を揺らめかせるオビトの痴態に、冷えていく心とは逆に、寧ろ、大きくなっていく。
深く差し入れた指を上下に揺する。オビトの身体が波立ち、桜色に染まっていく美しい背中にカカシの目頭が熱くなった。
オビトの事がこんなに好きなのに。心と身体がバラバラになってしまったようだった。
「やだって…カカシッ、…あぅっ…ひ、ひんッ」
まとめた指を抜き差しすると、滑った肉がぬちぬちと音を立てた。壁に反響した途切れ途切れに掠れるオビトの声が、先ほどまでとは違った音色でカカシを煽る。
オビトの背に額を押し付け、いきり立ったペニスを扱くと何度も擦らないうちに吐精した。
オビトの後腔から指を引き抜くと、ヌポとも、グポとも取れない音がして、まるでそれは俺の心が抜け落ちてしまった音のようだった。
ベッドヘッドに置いてあったティッシュで、白濁で汚れてしまったオビトの背中や尻を拭う。少し、乱暴にしてしまったかもしれない。
オビトはへたりとベッドに腰を落として、弱々しく息を吐いている。
壁側を向いていた為、表情は見えなかった。
まだ、収まりきらない股間を押しやって下穿きを履き直し、身支度を始めたカカシにオビトが振り返ったが、顔を見ることが出来ない。
サッとベストを拾い上げ、来た時と同様に窓枠に乗り上げる。
「え…カカシ?」
手を伸ばしたオビトとカカシの間でビリビリと電流が奔った。
「い…ッ」
思った以上に感情がコントロール出来ていない。
「ごめん」
そう言うのがやっとだった。

『chapter4』
オビトは最初カカシが怒っているのだと思った。
全く目を合わそうとしないカカシの眉間に悲しみを見てとったものの、理由が分からず言葉がかけられない。
決定的だったのは、オビトに向けられた敵意のチャクラだった。正しくはオビトから己の身を守る為に張られたチャクラのバリアに跳ね除けられた。
初めての事に動揺している間に、カカシは振り向きもせず飛び去ってしまった。
わけも分からず、カカシに対して怒りがこみ上げて来る。冷たい夜風が露出した肌を撫ぜ、戻ってくる気配の無いカカシに、溜息をつき窓を閉める。
よくよく考えてみると、次の約束もせずに別れるのも初めてだった。
不意にオビトの心をある一つの考えが支配する。
嫌われた?
そう、思うとカカシの態度の全てに合点がいく。
それまでオビトは自分がカカシに嫌われるとは少しも考えた事がなかった。
カカシが自分から離れていくなんて考えた事がなかった。それほどまでにオビトの中でカカシの存在は絶対的なものに膨れ上がっていた。
「うそ…どうしよう。なんで?」
自問自答し、身じろぐと先程まで穿たれていた後腔がひりひりと痛んだ。確かにあんな触れ方をされたのも初めてだった。カカシはどんな事があってもオビトを大切にしてくれていた。
壊れものに触れるかのようにオビトを包む大きな手が心地良いとさえ思っていた。
動けなくなってしまったオビトの瞳から涙が零れ落ちる。
「…どうしよう」
********
「オビトいますか?」
次の日任務を体調不良で休んだオビトを紅が見舞いに来た。
「紅か、オビトなら上におる」
「風邪ですか?」
な、ワケないよね。昨日無理しすぎちゃったのかな…。
「わからん。朝から泣いとる。まったく、いい歳して…」
「え…なんで、また」
「知らん!」
「ヒッ」
急に怒鳴ったマダラに紅が後ずさる。
「オビトに聞け。わしゃ部屋にも入れてもらえん」
オビトの態度に既にマダラは腹を立てていたのだろう、紅に向かって怒鳴った事を恥じているようだった。
「はぁ…、お邪魔します」
階段の下から心配そうに見上げるマダラを尻目に紅は二階にあるオビトの部屋に上がる。
「オビト?紅だけど」
コンコンと部屋の扉をノックしても、返事はない。布団の中にいるのだろう布の擦れる音と鼻を啜る音が聞こえる。
「入るわよ」
部屋はカーテンを締め切っており、元より黒っぽい物しかないオビトの部屋を更に暗くしていた。
「ちょっと、オビト。どうしたのよ」
オビトは布団に頭まですっぽりと入り込み、もぞもぞと動いている。
紅はベッドの横に座り、掛け布団の上からオビトに触れた。
「なぁに?失敗しちゃった?」
ギクリとオビトが強張った。
「そっか。…失敗か」
ひょっこりと布団から顔を出したオビトの瞼は真っ赤に晴れ上がり、いつものパッチリとした綺麗な二重瞼は見る影もなかった。
「わぁ…酷い顔ねぇ」
紅の言葉にオビトの唇が歪み、小さくなってしまった瞳に涙が溢れる。
「あ、ごめん、ごめん。もう泣かないの。目が無くなっちゃうわよ」
紅はオビトの零れた涙を指で拭う。擦った為かオビトの頬は腫れぼったく熱を持っていた。
「うっ…んぐっ」
オビトの身体を起こそうとして、布団の中のオビトが下着姿のままであることにギクリとする。
今はもう夕方だ。オビトは一日中この姿で伏せっていたのだろうか。
「これは…、ずいぶん重症ね。ほら、起きて。話し聞くから。それともスッキリするまで泣く?」
紅はベッドサイドに腰掛けたオビトに掛け布団を掛け直し、真っ赤な瞳を覗き込むとふぅと溜息をつく。ぎゅっと小さくなった身体を掛け布団の上から優しく抱きしめてやると、腕の中でプルプルと震えた。
「大丈夫、大丈夫。…くす、オビト兎さんみたいね」
「ひぅっ…くれないぃ〜、おれ…おれっ」
「うん、大丈夫。ゆっくりでいいから、…ね?」
********
「連続しての長期任務は出来ん。二日後に来い」
任務の申し出に行った先で、どうにかならないかとゴネたものの、どうにもならず、カカシは木の上で手のひらを見つめワキワキと握ったり開いたりしていた。
あれから、心の整理もつかず、里にも居たくなくて遠出の任務を申し出た。
オビトが俺以外のものにも身体を許していた事。他の誰かを選んだとしたら、俺は身を引かなければならないという事。
頭では分かっていても、納得出来なかった。
はぁ…。このまま消えて無くなりたい。
里に居たくない。
こんなのは初めてだった。オビトに会える。それが自分にとって結構な部分を占めて居た事に今更ながら気付く。
俺って、女々しいな。
脳裏をチラつくのは最後に会った日のオビトの姿。
可愛いかったなぁ。
…てっきり俺の誕生日、祝ってくれてるんだと思ってたのに。
苦しくなった胸をドンっと一つ叩く。
風の中で煙草の匂いが鼻についた。
「気配消してても、それじゃ意味ないよ。アスマ」
「…久しぶりだな。任務か?」
「今、帰ってきたとこ」
音も無く、地面へと降りたつ。
「なら、面取れよ。ちょっと話がある」
狐面が外された下から覗いたのは、面よりも無機質な表情だった。
「なんつー面してんだよ、カカシ」
「生まれつきこうゆう顔だけど、なに?」
アスマは鼻の頭を掻いて、苦笑いする。これは紅と何かあった時の癖だ。
「俺、今お前の惚気聞ける余裕ないから」
「まぁ、まぁ。ここじゃなんだから、酒でも吞みに行こうや」
アスマの誘いに乗り気にはなれなかったが、一人で居てもオビトの事ばかり考えているのだから変わりなかった。
「いいよ。アスマの奢りね」
********
「で…、話ってなんなの?」
居酒屋はまだ夕方だというのに結構な人が入っており、ガヤガヤとしていた。
既に焼酎を2本空にしたアスマは、新しい煙草に火を付ける。
「あー、うん。あのよ…。どっから話せばいいか…」
「うん?」
「カカシ、怒るなよ?」
「なんで?怒るよ?」
アスマは煙草を持った手で頭を掻く。カカシは首を傾げて、アスマの言葉を待った。
「お前さ…、オビトとは、その…別れたのか?」
「別れるもなにも…オビトとはそもそも付き合ってないけど?」
アスマはう〜んと唸って腕を組み、黙り込んでしまう。オビトの話なのか…、なんなのか。
カカシの思考は一巡して閃く。
「あ。見合いの話なら、ノーセンキューだから」
はぁっと大きな溜息と共に、アスマの口から魂のように白い煙が出て行く。
「違ったみたいね…」
まだ半分以上も残っている煙草を灰皿に押し付けると、アスマは意を決したようにカカシに向き直った。
「なによ…」
「カカシ、…アレ、俺んだから。以上!」
やり切ったという顔でふんっと飛ばしたアスマの鼻息がカカシの前髪を揺らした。
アレ。とは…いったい。
きょっとんとしたカカシの表情が冷徹なものへと変貌していく。
アスマはオビトとは別れたのかと聞いたのだ。
重くのしかかるカカシの殺気に気付いたアスマが両手を振る。
「ストップ!ストップ!!もとい!俺のを紅がオビトに貸しただけだから!落ち着け!!っな?!」
「…どうゆうことか詳しく」
「とりあえず、その殺気を早急にしまってくれ。頼むから」
********
「女同士ってそんな事まで話すもんなの?…ショック」
項垂れたカカシの前に、店員が追加の料理を運んでくる。
「まぁ、俺も良くわかんねぇケドよ。紅がお前が夢に出て来て、眠れないから何とかしてくれって、さ」
「オビト、そんな事全然言ってくれなかった…」
「お前が聞いてやってなかったんだろ」
思えば、あの日はかなり暴走していたような気もする。がくりと更に首を項垂れた。
「ショック…」
「つかさ、ショックついでに言うけど。あ、これも紅に頼まれたからだけど」
「なに。もうこれ以上ショックな事なんて、ないよ」
「オビト、痛いらしいぜ」
「なにが」
「だから…お前の、ソレ挿れた時」
食べた焼き鳥の串で指し示しされ、カカシの眉が上がる。
「そんな…事、まで…?」
「つか、それが発端だな」
「どゆこと?」
「んー、行為自体はさほど嫌じゃねぇ…と、云うよりは大分良いみたいなんだけど、いざ挿れるとなると痛くて嫌らしい。大変だな、巨根も」
「えっと…だから、アレ使ったって事?」
「そ。ご名答。愛されてるねぇ、…なんで付き合ってねぇの?お前ら」
「待って、待って!アレって…お尻用でしょ?」
「あー、アレね。ソッチはお前用だよ」
完全にカカシの斜め上を行く回答にア然として、パチパチと瞬きを繰り返す。
「オビト、お前の所為で泣いてたらしいぞ」
ガタンッと音を立ててカカシが立ち上がる。
「おい」
「…俺、行かなきゃ」
「今日はやめとけ。酒抜いてからにしろ」
「あ。…俺、酒くさい?」
違う違うとアスマが手を振る。
「好きなんだろ?オビトの事。酒飲んで好きな女抱くのは、そいつと付き合ってからにしろ」
アスマにしては、もっともらしい正論な気がしてカカシは椅子に座り直す。
「それまで、俺がお前にアドバイスしてやる」
「アドバイス?」
「オビトは濡れやすい体質か?」
「な、なんで」
「いや、濡れてないのに突っ込むから痛いのかなって思ったからよ」
「…たぶん、問題ないと思う…けど」
「じゃあ、後はやっぱり慣らすしかないか」
「慣らす?」
「そうだ。お前のサイズに。たっぷり指で解してやんな」
いやらしく立てた中指を動かすアスマに、カカシは引きつった笑いで下品と呟いた。
********
アスマと別れ一旦自宅へと戻ったものの、全く眠れなかった。
シャワーのコックをひねり、頭から冷水を浴びる。
オビトになんて話しかけよう。
まずは謝るべきか。…何に対して?
「お前の所為で泣いてたらしいぞ」
アスマの言葉を思い出し、苦々しい気持ちが広がる。許して貰えるかな…いや、許して貰えなくても、まずは謝ろう。
水をお湯に切り替え、身体を洗う。
頭の中はオビトに会いに行く事でいっぱいだった。

『chapter5』
午前3時過ぎ。
秋分の日を過ぎ、空はまだ暗かった。
こんな時間にオビトが起きているワケない。
それでも、カカシはいつもの定位置でオビト部屋を見上げていた。
「オビト…」
灯りの消えたオビトの部屋。
あの日、見上げていた際の気持ちが蘇る。
つまらない嫉妬に駆られて、オビトを傷つけてしまった。馬鹿だった自分にほとほと嫌気がさす。
そのまま帰る気にもなれず、オビトの部屋を見上げているとカーテンが揺らめき、不意に隙間からオビトが顔を出した。
ガラス越しに目が合う。
遠目にもオビトの面影が少しやつれた気がして、カカシはその場に立ち尽くす。
からからと静かにオビトが窓を開けると、ふわりと舞った髪によって何かを言った口元が隠れてしまう。
「そっち行って良い?」
言の葉を風に乗せると、オビトはこくりと頷いた。それを確認して、屋根の上へと移動する。
「寝てた…よね」
カカシの問いに、顔を伏せるオビトから聞こえる消え入りそうな声。聞き逃したくなくて、手を伸ばすと僅かに逃げたオビトにズキリと胸が痛む。
「も、来ないのかと…思った」
カカシから自身を守るようにオビトは胸の前で拳を握っている。答えられないまま立ち尽くしていると、オビトは窓際を離れる。
「入れよ。今日、下にじぃちゃんいるから」
そう言うと、部屋の明かりをつけた。
「…お邪魔します」
ベッドに背をつけて座ったオビトの隣に腰を下ろす。気まずい沈黙がカカシに重くのし掛かる。
「任務だったのか?」
自分から望んだ遠出の任務に、後ろめたさを感じながらも頷く。オビトが普段通り振る舞おうと無理をしているのが手に取るように分かった。
「何回か、お前ん家行ったんだけど…居なかったからさ」
「ごめん…」
本当に謝りたいのはこんな事じゃないのに、気持ちが空回る。再び訪れた沈黙に、オビトの溜息が上塗りされた。
カカシはオビトの手に自身のそれを重ねる。びくりと力の入った手を、両手でぎゅっと握って引き寄せる。
「んだよ、急に…」
「あのね、オビト。アスマから聞いた」
かぁっとオビトの体温が上がったのが伝わってくる。
「全部、…聞いたから」
オビトの瞳を見つめ、ジリジリと距離を詰める。握っていたオビトの手が近寄ったカカシの胸を押し返そうと手のひらの中で動く。
「あ、ちょ…」
「ごめんね」
腕を回してオビトを抱き締めると、いつもすっぽりと収まる身体が一回り小さくなってしまったように感じて、カカシはごめんとまた繰り返した。
恋い焦がれたオビトの香りを吸い込み、やっと息を吐くことが出来たと感じる。やはり自分の世界にはオビトが居なければ成立しない。
「オビト、俺達ちゃんと付き合おう。ね?」
オビトの顔がある位置が湿っぽい。
「…ダメ?なんで泣いてるの、オビト」
手触りの良い黒髪を撫でる。
「じぃちゃんが、…歳下はダメって言った」
「うん。オビトはどう思ってるの?」
顔を上げたオビトの頬に伝う涙を指の腹で拭う。
「俺の事…嫌い?」
大きな瞳からボトリと落ちた涙がカカシの手の甲で弾ける。みるみるうちに歪んでしまったオビトの顔を両手で包み、宥めるように涙をキスで掬う。
「だって…お前、ガキだし…、俺のが歳上で、しっかりしなきゃっ…いけなくて、つか…れるっ」
「ごめん。ごめんね…俺、本当子どもだった。ごめん。…しっかりするから、そんな事言わないで」
しゃくり上げるオビトの肩をさすり、落ち着くのを待った。
「オビト、付き合うのがダメなら、俺と結婚してよ」
「わけわかんねぇ」
ズビッと鼻を啜ったオビトはぐりぐりとカカシの胸に額を擦り付ける。
「だって…、オビト、俺の事すっごく好きでしょ」
「は?!」
確信を持って放たれた言葉に思わずオビトが顔を上げた。
「すごーく、すごーく、好きでしょ?」
「なっ、…」
「俺はね、オビト以外考えられない」
今回の件で身に染みて分かった。オビトがいなければ世界は色を失ってしまう程に無意味だ。
「だから結婚して」
「…むかつく」
「オビト。顔と台詞が一致してないよ?」
シュンシュンと音が聞こえてきそうな程に顔を赤くしたオビトがカカシの腕の中で小さくなる。
「ねぇ、オビト。誕生日、やり直させて」
「……」
じっとカカシを睨み付ける瞳が、迷っているのが伝わってくる。
「オビトの事、愛したい。…触らせて」
細い腰を抱き上げると、添えられた手がカカシの袖口を握ってくる。
「ダメ…だ。今日じぃちゃん居るし…」
オビトの柔らかな胸に鼻先を埋める。オビトが欲しい。
「じゃあ、俺の家…行く?」
逃げる選択肢を潰されて、ゴクリと息を飲んだオビトは困ったように眉尻をさげる。
その可愛らしい表情がカカシの劣情を焦がす。
「やっぱり無理。そんなに我慢できない」
口布を下げ、軽くオビトの唇に触れながら服を脱がせていく。
「カカシ…ッ」
「しー、静かにしてて」
「…んっ」
輪郭を確かめるように手のひらを滑らせ、徐々に口付けを深くする。オビトの全てを感じたかった。
********
「カカシ…も、むりっ…ぅんっ」
シーツを握り締めるオビトが潜めた声で訴える。つま先が忙しなくフローリングの床を掻いた。ベッドサイドに上半身を乗せ、くの字に折り曲げられた身体がカカシの腕の動きに合わせて微かに揺れる度に、静かな部屋に濡れた音が響いた。
カカシは二本の指を伝うオビトの体液を舐め上げ、腫れ上がった陰核に蜜を塗り込むようにしてくるくると円を描く。
くぅんとオビトの鼻にかかった声が腰に直接響いた。
「待って、もうちょっと…」
ゴソゴソと腰の後ろに付けているポーチをまさぐるカカシを、シーツに頭を付けたままのオビトが不思議そうに見やる。
「あ。ソレ…俺、返したのに」
「アスマから貰った。誕生日プレゼントだって」
ポーチから取り出されたのはピンク色をしたローターだった。
「一応、新品らしいよ」
カチリとスイッチが入れられたローターから小さな機械音が聞こえてくる。渇いた機械音がオビトの陰核に触れると鈍くこもった音へと変わる。
「…ッ、ンンッ…やぁっ…ーッ」
ぶるるっとオビトの柔い尻の肉が揺れる。誘われるままカカシは白い臀部に優しく歯をたて、舌を押し付ける。
「ひぅ…ん」
オビトの腰がピクンッピクンッと不定期に跳ねる。
「オビト、自分でコレ使ったの?」
「…使って、ないっ…」
じんじんするからやめてと言うオビトの性器は、かつてないほどに濡れそぼっている。
「でも、お尻には入れた?」
ふるりと頭を振ったオビト。
「入れたよね」
更に陰核にローターを押し付けるように、手のひらでオビトの性器を撫で付ける。
「ひっ…ぁ…やめ、やめて」
尻を高く上げてオビトが腰を左右に振る。
「お尻の方が好きなの?」
目の前で揺れる濡れた後腔に向かってふぅっと息を吹きかけると、きゅんっとすぼまった。
「ち、…ちがっ…」
オビトの片手が伸びてきて、尻の溝を隠すようにしてあてがわれてしまう。
「そっちにしか…入んなかっただけで…」
「あぁあっちは、おっきかったもんね」
ぐちゅりとローターを中心に押し付ける。
「ヤダ、ヤダ、カカシッ」
僅かに押し込んでやるだけで、自身の振動で肉にうもれて行き、つぷんと全てを飲み込んだ。膝を合わせて身体を揺するオビトから、カカシが思っていたよりもローターというのは気持ちが良いらしい。というより、それを見られていることか。
ピッタリと閉じられた肉を左右に割り、舌先を伸ばす。目的の所に到達した時、オビトの弱々しい涙声がカカシの耳に届く。
「だめ…イッちゃう」
********
ちゅうと長めに吸い、口を離す。カカシの唾液で濡れたオビトの乳房の上でツンと尖った左側の乳首を先ほどよりも強めに指の腹で扱く。
枕に押し付けられたオビトが身体をしならせて、カカシの手に爪を立てた。
「んぎっ…んッ、やらぁ」
「うん。恥ずかしいね…オビトの乳首コリコリだよ。かーわい」
「ッ…!ふぇっ…やっ、やぁ」
「うそ。嫌ならこんなならないよね。すごい濡れてる」
たっぷりと時間をかけて濡らしたオビトの中から出ているコードを引く。ピンク色のローターが見えたところで指の力を緩めると、鈍い音を立てて中に戻っていく。
「ほら、ヌルヌル。ローター…美味しい?」
振動するローターを肉壁に押し付けるように一緒に中指を抜き差しすると、オビトは頭を振って脚をばたつかせる。
「やらぁ…、も、出来ない…ッ出来ないっ…抜いて、カカシ」
本格的にぐずり始めたオビトの頭を撫でる。さすがにこれまでかと、ローター抜き去った変わりに、三本にまとめた指を性器にみたててゆっくりと差し入れる。
「オビトの中、すごく熱くなってる」
「あ、あぅ…」
「痛くない?」
陰核と中への刺激でオビトは身体を震わせ、シーツの上をずり上がる。
「ごめんね…俺、オビトが痛かったって気づいてなかった。今日はちゃんとオビトが慣れるまで待つから」
オビトの蜜を肉壁に塗り込むように中に差し込んだ三本の指の腹を使うと、一際身を硬くし、脱力したオビトがシーツの上にくったりと倒れこむ。
はぁっはぁっと肩を上下させるオビトは、カカシの手を引く。
「痛くてもいいから、も、入れて…」
「…でも」
「いいから…もう、大丈夫だと思う」
シーツに顔を伏せたままオビトが呟く。
「それに、指じゃヤダ」
「え?なに、聞こえなかった。もっかい言って」
「…〜ッ!そうゆう所がッ」
シーツから顔を上げて振り向いたオビトの唇にカカシが軽くキスをする。
「そうゆう所が?」
「ガキだって…言うんだよ。…ケツ舐めた口でキスすんな、バカカシ」
「やだ。する」
オビトを仰向けにベッドの上に引きずりあげる。できるだけソフトに押し倒したつもりが、ギシリと軋んだベッドの音に、オビトは静かにとカカシを目で制した。
吸い込まれるようなオビトの瞳がカカシを見つめてくる。オビトの手が頬に触れただけで、カカシの身体は熱くなる。
自分よりも幾分も身体の小さなオビトに口付けながら挿入するのは至難の技だった。それでも窮屈な体制のまま、柔らかなオビトの身体に身を沈めていく。
幾度か身体を重ねた内のどれとも比べものにならない位の快感がカカシを襲う。それはオビトも同じようで、頬を包んでいた手はカカシの髪にしがみつくようにして握られた。
外れたオビトの口から艶を含んだ息が漏れ、声を抑えてはいるものの嬌声にも似た高さを持ってカカシの鼓膜を揺らし、脳髄を痺れさせた。
「…痛くない?」
ふるふると首を振ったオビトの瞳からは涙がこぼれ落ちる。
「本当に?」
腰を引きかけたカカシの頭をオビトの両手が止める。
「やだ…やめないで」
カカシが動きやすいように大きく足を開いたオビトは、腰を浮かせるように突き出した。その姿はこれまでのどのオビトよりも扇情的で、儚げで、いたいけで、とにかくカカシの理性を砕くには十分過ぎた。
ゾワリと背中を駆け上がった電流に、カカシの腹筋が浮かび上がる。衝動的に突き上げてしまった腰に、オビトが息を詰め肢体をわななかせた。鼓動よりも早く痙攣する肉壁がカカシを締め上げる。
思わずその先を目指して腰を揺する。
「…だめ、今動いちゃ…あ、アッ」
オビトはカカシに四肢を巻きつけるようにしがみつく。単純に嬉しい…けれども。
「ごめん…オビト。俺、も、もう限界」
肩に回された腕をオビトの頭の上でひとまとめにして枕に縫い付け、抱きかかえるようにして背後に回した方の手で尻を掴むと指先に触れた後腔がひくりと蠢き、オビトの瞳が揺れた。
溢れた蜜はシーツまでも滴り、当然の如くオビトの後腔をも濡らしている。カカシは欲望のままに指を差し入れた。
「ひっ…ぐ」
「今度、お尻にもローター入れてみよっか」
オビトはカカシの二の腕に口を押し付け声を殺す。カカシの指に固定されたオビトの腰は、長いストロークを味わされる事になる。
「んっ…、んっ、んっ」
時折震えるように腰を打ち付けていたカカシが、徐々にリズムを早めオビトのベッドがギシギシと軋みだす。
「オビト、中で…イッても、い?」
「んっ…んんっ」
ふわりと緩んだ締め付けの合間をぬって際奥に切っ先を擦り付けると、オビトの腹の底からカカシの吐き出したものがぶつかる音が聞こえる勢いで欲望が迸った。
「あ…ぁ、ふぅッ…ングっ」
「はぁッ…オビト…、オビト」
のけ反ったオビトの乳房がぷるんと揺れる。膨らんだ乳輪はカカシの唾液でテラテラと光っていた。柔らかい肉はどこまでもカカシの指が埋まっていきそうで、握りしめると簡単に形を変える。噛み殺したオビトの嬌声は軋むベッドの音に掻き消されてしまう。
「オビト…大好き」
オビトの耳朶に直接囁くと、律動を辞めようとしないカカシの身体の下で細い手足がシーツを掻いた。
「カカシ…」
その時。
「オビトォォオ!」
一階からマダラの声が鳴り響き、驚いたオビトがぎゅうぎゅうとカカシを締め付けた。思わず指は抜いたものの、痛いほどの締め付けにカカシは呻きオビトの胸に顔を埋める。
「地震じゃぁ!はよ、家から出るんじゃぁ」
次いでバタバタと玄関から出て行く音が聞こえる。
「…ぷっ」
頭上から聞こえたオビトの吹き出した声に、ため息を吐く。
「びっくりした…」
「地震、だってさ」
「震源地は、…ここ、かな」
気付けば外はもう明るい。カーテンから漏れる太陽の明かりに目を眇める。
オビトから身を離すと、中で放ったものが溢れ出た。指で掬って中に押し込む。
「もうダメ。今日は終わり」
遮ろうと腕にかけられた手を無視して、ぐちゅぐちゅと掻き回す。
「んっ…お前って、本当、変態くさいよな」
「でも、好きでしょ?」
ふふんと鼻を鳴らしたカカシを足で押し退けようと踵を上げたオビトをペロリと舐める。
「うひ……やめろヘンタイ」
「オビトなら何処でも美味しくいただけます」
「嬉しくねぇし…指抜け」
「まだしたい。し足りない。俺の愛はこんなもんじゃ」
「俺、じいさんの朝飯つくんねぇと」
「ねぇ、聞いてる?!」
オビトはカカシの髪を引っ張り口付けた。絡まるオビトの舌にカカシはうっとりと瞳を閉じる。オビトの手によって引き抜かれてしまったが、手にオビトの指が絡んでくる。オビトの厚い唇で舌先を扱かれると、あまりの気持ちよさにポーッとしてしまった。
どんッとオビトの手に押されて、カカシはそのままパタリと布団の上に倒れ込む。
「俺の愛は、なんだって?」
「…幸せ」
「オビトォォォ!」
ガラガラと玄関の開く音がしてどこまで逃げたのかマダラが帰ってくる音がする。
「はぁあい!今、行く!」
「幸せ過ぎて…俺、今日死ぬのかも」
「そこで寝てて良いよ。俺、行ってくるから」
「オビトが優しい…あぁ、やっぱり俺、今日死ぬんだ」
オビトはカカシの話になど耳を傾けず、床に散らばった服をテキパキと拾い上げ、身に付けていく。その様子を夢でも見ているかのような気持ちで眺める。
パタンと一度扉を閉めたオビトが、もう一度扉を開けて顔を出した。
「お前が死んだら、嫁に行けないから困る」
バッとカカシが起き上がった時には、既に扉は閉められてしまっていた。
「死んでもいい…」
ばふっと布団に再度カカシは倒れ込む。ふと視界に入ってきた床に落ちているピンク色のローター。
腕を伸ばして拾い上げ、スイッチを入れてみる。ヴヴ…ヴヴ…と乾いた音を上げてカカシの顔の上で小刻みに震える。
鼻先でくんくんと匂いを嗅ぎ、オビトが変態くさいと言った言葉を思い出した。
違う、俺が変態なのはオビトに対してだけだし。
鼻先を掠めたローターに、カカシが大きくくしゃみをする。そういえばまだ服を着ていなかった。
********
「オビト!二階に誰かおるぞ!!」
「じぃちゃん。さっきは地震で、今度はオバケかよ…ボケるにはまだ早えぇよ」
「なんじゃと?!」
「はいはい。飯食べよ」
「うん。…オビトは良い嫁になるなぁ」
「あのさ、じぃちゃん、俺、嫁に行っても良い?」
「なんじゃと?!」
友達以上恋人未満…のち… Fin
と、いうことでオビ子のおっぱいを揉み、ピンクローターで攻めるがやりたかった結果です。
地味にカカ誕を祝えて(遅刻ですが)良かったです。最後までお付き合いいただきありがとうございました。