――いつも優しくしたいのに
酷くしてしまうのは、オビトが望むからだ。
3日振りに任務から戻るとオビトがコタツで寝ていた。
「オビト、コタツで寝ちゃダメだって」
コタツに身体を半分突っ込んだまま床に寝転がったオビトに声を掛ける。
「ん?んー」
「布団で寝なさいよ」
「んー」
ゴロンと寝がえりをうってこちらを向く。移植されていない側のほっぺに畳の跡がくっきりとついている。
その跡をむにむにしてやると、めんどくさそうに瞼を持ち上げた。
まだ覚醒してないのかボンヤリとこちらをみつめている。
あどけない表情で、少し潤んだ瞳にみつめられ、任務先で何度か想いを馳せたオビトとの情景が生々しく蘇る。
「そんな可愛い顔してると…襲っちゃうよ…?」
さっきよりも少し瞼が開く。
「…もう起きた」
「フフ…お布団行こうね」
「や、起きたし…」
抱える為に手を伸ばす。
「どこ触ってんだコラ」
言葉だけの本気では無い抵抗に気を良くした俺はまだ眠そうな瞼にキスを一つ、唇にキスを一つ、するとオビトの腕が首に回されたので角度を変えて唇にもう一度、今度は少し深めのキスを。
久しぶりのオビトの感覚に酔う。
「なぁに。オビト今日はやけに積極的じゃない?」
俺の言葉に少しむくれて、すぐ後に表情を殺したオビトは顔を背ける。
少し意地悪になりそうな気持ちを抑え、首筋に顔を埋める。
目を閉じてオビトの匂い胸一杯に吸い込んだ。そのまま鼻を擦り付け耳に唇を這わせる。
「それともココでする?」
ピクンとオビトの身体が腕の中で跳ねる。
いつもなら始めは大袈裟なくらいに抵抗するのに、やはり今日のオビトは大人しすぎる。その上素直だ。積極的なのは喜ばしい事だが、何かおかしい。
俺は何時までだってこうしていても良いくらいだったので、そのまま心音に耳を傾け返事を待つ事にした。
「夢、みてた…昔の…」
今度は俺がビクリとする番だった。
オビトと俺しか知らない過去。共有する事が出来るのは、もう互いしかいない。誰も知らない遠い遠い日の事。
「1人だった。誰も居なくて…俺は何かと戦ってた」
少し俺を押し退け、身体を離しこちらを見たオビトの輪廻眼が虹色に鈍く光る。
「…お前だったかも」
「そう…」
キツく刻まれた眉間にキスをする。これは誓いのキスだ。
「俺はオビトを1人にしないよ。それにオビトに負ける気も無い」
しぶとく生きて、今度こそ約束を守ってみせる。
オビトの瞳から全ての哀しみが無くなるその日まで、罵られようと何をされようとオビトを1人にはしない。ずっとそばに居る。
眉間の皺が少しだけ緩む。
「来いよ。証明してみろ」
だから、そのまま床に押し倒した。
「背中、痛くない?ダイジョーブ?」
顔を覗き込むと、片眉を持ち上げたオビトの向こうにあった床が一転し天井になった。
車輪眼を隠す為に斜めに結ばれた額宛が力任せに引き取られる。
「ちょっと!イッ…ンッ」
言い終わる前に唇が塞がれる。貪るように俺の口内をオビトの舌が蹂躙した。
嚥下しきれず顎を伝った涎を掬い、強く吸われた後に唇を舐められ甘くて痺れるような快感が脊髄を襲う。
直接触れたくてアンダーに忍ばせようとした手は、オビトによって床に磔られてしまった。
跨いだ格好で下半身を擦り付けてくる。その露骨な行為は頭の芯まで痺れさせ、集まった熱を沸騰させた。
「オビ…トッ!」
途切れる事の無いキスの合間にやっとの思いで声を出す。
「カカシ、俺は女じゃねぇ。優しくされたって嬉しかねぇんだよ」
おもむろにアンダーを脱ぎ捨てると互いの前立を寛げ、滾ったモノを取り出す。
「…ハッ、お前のギンギンな」
舌舐めずりをしながら色の違うペニスを両手でキツく握り、いやらしく腰を振る。
自分の腹の上で繰り広げられるオビトの痴態に喉が鳴る。
オビトの心の叫びが聞こえる。
もっと俺を求めろ。
必要だって証明しろよ。
自由になった両手を伸ばす。
「ンッ…カカシ…ッ」
「なぁに」
少し掌にチャクラを流す。
「ッ…アァッ!」
「まだイッちゃダーメ」
ぷつりと溢れて来た先走りを先端に塗り込めながら簡単にはイけないように握り込む。
「テメェ…卑怯だぞ」
「フフ…俺ねぇ、別にオビトを女の子扱いしてたワケじゃないよ。俺がオビトに優しくしたかったんだけど…」
互いのモノでヌルついたペニスを後孔に擦り付ける。
「元、暗部の本気みせてあげるね?」
日頃鍛えた腹筋で上体を起こし、そのままオビトをひっくり返し、のし掛かる。
「泣いてぐしゃぐしゃになってやめてって言うまで愛しあげる」
オビトはそれが望みだったかのような笑みを浮かべて「泣かねーよ」と言ったけど、やっぱり泣いて
その泣き顔にまで俺は欲情する。
オビト、お前に俺の全てを捧げるよ。