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「こら、キスしていいなんて言ってねぇぞ」
「キスくらいいいだろ」
もう自力では立っていられない様子のカカシを腕に抱いた幼い自分の姿に軽い嫉妬を覚えた。
「まぁ、どうせ俺だからいいか。おいカカシ、もうギブアップか?」
後ろから抱きかかえるように腕を伸ばし半身を支えようと二人の間に手を差し入れる。
「ひゃぁあんっ」
大袈裟に喘いだカカシに驚き、前屈みになっていた身体を起こした。
差し入れた手はぶかぶかだったベストの脇から中に入りカカシの乳首に触れてしまったようで、改めて触れるとアンダー越しにもわかる程にそこは硬く立ち上がっている。
「オ、…ビトッ…ダメ…ッ」
「だめって感じじゃねぇーだろ、コレ」
反対側からもベストの中に手を差し入れて確認すると、摘まめる程に育っていた。
「ひ…んっ」
ずり上がるベストを左手で下へを引っ張るカカシの姿に、幼い自分に目で合図を送る。
ベストのジッパーに掛けられた手に、何をされるか悟ったカカシがコチラを見て首を横に振った。
その表情に加虐性をそそられ、あがらいがたい欲がじわりと下半身に広がっていく。ベストの前を抑えようとする細く白い腕に指を絡ませ阻止する。
「オビトッ…やっ、ダメ、ダメッ見ないで」
ジジッと音を立て下げられていくジッパーに、カカシの腰が引ける。太腿で押し返してやるとベストを押し上ている性器がしとどに濡れているのが上から見え隠れした。
「やぁ―――」
三分の一を残す所でカカシが本格的にジタバタと暴れ出す。ジッパー全て降ろし開け放たれた光景に幼い姿の俺がごくりと喉を鳴らしたのがわかった。
「…お…ねがい、オビト…見ないで」
胸を震わせながら懇願するカカシがヒクリと身体を震わせる度に、それ以上に天を向いた性器が大きく跳ねる。
「派手に汚したな」
ベストの内側までもべっとりとカカシの先走りともつかない白濁が汚し、黒くピッタリとしたアンダーにもすじを作っていた。
「ご、ごめんな…さい」
「久しぶりだもんな。たっぷり可愛がってやるよ」
下腹を滴る体液を掬いながらアンダーの下に指先を忍び込ませ、カカシの正面に立つ分身に見せつけるように捲り上げていく。
胸の上でアンダーを纏めて、浮き出た肋骨から痛々しい程に張りつめ赤くなっている胸の先までを撫でると掠れた喘ぎとともに掌の薄い胸が上下する。
湿った地肌に鼻先を埋めて濡れたカカシの匂いを吸い込む。胸には愛おしさが広がるのに、泣かせたくなるのはどうしてだろう。
赤く色づく耳朶に近づき、卑猥な言葉を囁く。
「っや…だ」
「言ったら、カカシのして欲しいヤツ、してやる」
抱き上げて内腿に腰を押し当てそそのかす。迷っているカカシは浮き上がった脚を持て余して俺の脚に擦りつけるようにしている。
「良い子だから、さっきみたいにおねだりしてごらん」
とっておきの声で耳の中に吹き込むと、羞恥と期待で溶けきったカカシの瞳が正面を向く。

本体に何かを耳打ちされたカカシは、口を開いては閉じる。
「オビト…」
「ん?」
意を決したように、瞳を閉じベストの合わせ目を硬く握りしめる。
「―オビト…おれの、おち…んちん…舐めて」
突き出された腰の上でヒクヒクと脈打つ性器から地面に向かってタラリと滴が落ちる。
「こら、しゃぶって、だろ」
消え入りそうな声でカカシがオビトの言葉を繰り返す。
(我ながらひでぇ事しやがる)
カカシを抱える本体を睨むと、ニヤリと口角を上げた顔に苛立だった。
涙をこぼすカカシの頬を拭ってやる。
「いま、楽にしてやる」
忙しなく上下する胸に、腹に口づけを落としながら下へと移動していく。絶え間なく揺れる腰を両手で押さえて、抉れた腹から続く腰骨に唇を押し付け、カカシの顔を見やる。
その瞳には、先ほども見た不安が見え隠れしていた。目が合うとぎゅっと目を瞑ってしまう。
僅かな疑問が頭をよぎるも、震えている切っ先に舌先を伸ばす。ヒタリと触れるとさらに溢れたもので跳ねて逃げた。色の薄い欲望を唇で掴まえる。
「あっ…オビ…ト」