13
玄関で潰れてしまったカカシを廊下に引きずり上げ、このままでは服が汚れてしまう事に気づきました。
(折角の白い紋付袴だからな)
「ほら、カカシ、腕あげろ」
「んー」
カカシは唸るだけで動く気配がありません。
廊下に横たわるカカシの身体に手を掛けます。うっすら右目だけを開いたカカシがオビトの様子を伺っていました。
「汚れちまうから脱がすぞ」
そう言ってテキパキとカカシを剥いでいきます。
廊下を転がされて、冷たい床に骨があたりゴ
リッという音がしました。
「――っつぅ…あー…きぼちばるい…」 身悶えるカカシに、天罰だと言ってオビトは笑います。
「…ナルトは?」
「もう帰った。どんだけ呑んだんだ」
「うーん。…覚えてない…」
頭を押さえて、うんうんと唸っています。
「水、飲むか?」
「お願い」
脱がした衣服を小脇に抱えて台所へと向かいます。
「…オビト、上着の左袖のやつ出して」
左…左…、歩きながら手を突っ込んでみると指先に何か触れます。
取り出して固まるオビト。
「今日の戦利品」
アンダーと下着の姿で、廊下に大の字になって横たわるカカシが顔だけオビトの方に向けて笑っています。
衣服をソファに置き水を持ってカカシのところへ戻りました。
「バカカシ、どうしたんだコレ」
先ほど取り出したコンドームをひらつかせオビトがカカシを睨みます。
ちびちびと水を飲んだカカシ。
「ガイから貰った」
以外な名前にオビトが素直に驚きます。
「へー。あいつも隅に置けないな」
「や、もともと俺のだから」
「ほぅ。それは聞き捨てならないな」
「へ?…あ!そういう意味じゃなくてね、昔あいつちんちん小さいの気にしてて…、買ってあげたの。お守り的な感じで」
「…仲、良いんだな」
「永遠のライバルらしいから、おれ」
そう言うとカカシがひとつクシャミをして、身体をぶるりとさせました。
「立てるか…?」
「うん。たぶん」
オビトに捕まりながら、カカシが立ち上がります。
立つ事自体は問題なく出来ましたが、まっすぐ歩くことが出来ません。
最終的にはオビトにおぶさるようにして、半ば引きずられながら部屋へ向かいます。
「オビト…、ごめんね」
「…あぁ、ちょっと重いけど問題ない」
「そうじゃなくて、今日一人にしちゃって…」
「カカシが気にする事じゃない」
ソファにカカシを座らせて、ちゃんちゃんこを渡します。
「それに、…たまには他のやつとも付き合った方が良い」
ちゃんちゃんこを受け取りながら、オビトの手を引きます。
「休み中はもう離れたくないよ…オビトが居ないと淋しい」
お腹に抱き着いてくるカカシは大きな子供のようで、頭を撫でてやります。
「どこにも行かないから、安心しろ」
脱がした袴を掛けて来ないとと頭の片隅で考えるも、カカシを邪険にも出来ずそのままソファの隣に腰掛けました。
オビトの体温が心地よくカカシはそのまま眠ってしまいます。
回された腕を振りほどけず、酒くせぇと愚痴りながらもオビトもいつの間にか眠ってしまいました。

残りの休み中、宣言通りべったりとひっついてくるカカシにオビトは寝る暇もなく、散々弄られました。
所かまわず伸びてくるカカシの手に翻弄されて、家中どこにいっても事情を思い出す事が出来ます。
日付が3日に変わる頃にはついに痛みも無く複数の指を含む事が出来るようになりました。
それどころか2本目の指を含まされた時に、前立腺で達する事を強要されカカシにその場所もしっかりと把握されてしまっています。
「カカシ…もう眠い」
「寝ていいよ」
「…触られてると寝れない」
お互い疲れ果てているというのにカカシの指はオビトを離しません。
お前も眠いだろとカカシの頬に触れます。
「なんだか寝るの勿体なくて…」
「バカカシ…続きは明日にしよう」
そう言って身体をずらすとカカシに身を寄せました。
腕の中に納まるようにして寝場所を探していると、触れた太腿からカカシの熱を感じて、思わず手を伸ばしました。そこは緩く立ち上がった状態です。
フッと髪に掛る息に窘められます。
「こら、オビト。気持ちいいからやめなさい」
カカシの言う事を聞かず、好奇心の赴くままに下着の中に手を忍ばせ直に触れました。
指先が触れると少し質量の増したそれに気を良くしたオビトは、目を瞑ったままカカシの胸に頬を摺り寄せました。
「…ヌいてやろうか」
手で触れるのは初めてでしたが、出来ない事はないだろうと形を確かめるように輪郭に指を這わせます。
「だぁめ。最初はオビトの中でって決めてるの」
「だってこれ、つらいだろ…大きくなってる」
「ここまで我慢したんだから、大丈夫だよ。それにもともと淡白な方だし」
「…うそつけ」
カカシの大きな手のひらがオビトの手を包むように添えられます。
上から押さえつけられ、オビトの手のひらに収まらない熱が脈打ちました。
「本当。こんなになるのオビトだけだから…」
耳に直接吹き込まれたカカシの潜めた声が、腰に響いて蕩けそうになります。
力の抜けたオビトの手を、重ねた手が引き抜きました。
「手でしてもらうのも楽しみだから今度してね」
おやすみと言って額にチュッとキスをされました。