4
カカシの指に唇をなぞられビクリと身体が震えました。
吸われ過ぎて痺れた唇が簡単にオビトを煽ります。二本の指が口内に侵入してきて上顎を撫でました。
「ふぐっ…」
じっとりと見つめられ、自分でもわけの分からない涙がオビトの頬を伝います。
カカシはその涙を掬うように舐めとり、そのまま名残の残る移植された皮膚に唇を押し付けました。
チュッ…チュッとリップ音を立てながら溝を確かめるように唇を滑らせていきます。
合間にうわ言のようにオビトの名前を呼びますが、オビトは咥えされた指に、ただただ溢れる唾液を零さないように努めるしかありませんでした。
空いている左手で器用にパジャマの前ボタンを外され、上半身にも広がる移植跡に唇が、手が触れて来ます。
外気にさらされた肌はカカシの触れたところから溶けてしまうのではないかというほどに熱を伝えてきました。
ありえない事とは分かっていても不安になったオビトがカカシの左手の方を見やると、ずっと見ていたのかカカシと目が合いました。
自分の胸が大きく跳ね上がったのを感じます。
いつの間に脱いだのかカカシの上半身も服を纏っていませんでした。
その姿に目を奪われたオビトは、自分が男の裸を美しいと思う事が来るとは思ってもいませんでした。
もともと色素の薄いカカシは細身に見えましたが、実際には筋肉にびっしりと覆われており、その美しい姿は忍としても日頃から努力している事を伺わせました。
その腕の筋肉が日常ではありえない角度でかたどられ、自分の胸からお腹へさらにはその下へと伸びていく様子にガンガンと耳鳴りがします。
今、自分がカカシとしようとしている事が何を意味するのか。
昔、何度かマダラに色街に連れて行ってもらった事があるオビトは、数えるほどではあるもののそういう経験も無い訳ではありませんでした。
しかし、それは客商売相手の女性との事であって、自分も処理するという意識だけで行っていたものです。
こうして優しく愛しむように触れられる事ははじめての事です。まして久しぶりの感触に戸惑いの方が大きく心の準備が出来ていませんでした。
「わ…タンマ!ストップ!!」
咥えていた指を離し慌てたようにオビトが叫びます。
両手でズボンの前を押さえカカシを遮りましたが、ここでそれはないでしょーよというカカシにそのまま下着の中に指を滑り込ませられてしまいました。
カカシはつるりとした指先の感触にまだ毛が生えていない事を知ります。
「え。うそ…」
オビトの両手をどけて覗き込みました。フルフルと震えているそこはまだ子供のような色をしていました。
「…かわいい」
「見んな!…あっ、触わんなって…や!っだ!!」
「恥ずかしがることないでしょ。オビトのここ、すごくかわいい」
うるさく喚く唇をカカシがキスで塞ぎます。片方の手で両腕をまとめられスルリとズボンも抜き取られてしまいまいした。
「まだ、ダメだって…アッ…ゆってる…」
直接性器をカカシの手に撫でられ、強い刺激と羞恥でオビトの瞳から涙がこぼれます。
ジタバタと暴れながらしゃくりあげるオビトを見て、カカシはふぅと息を着くと震える身体を抱えるようにしてソファに座りなおしました。
腕はここねと両腕をカカシの首に巻きつけるよう言われ、すんすんと涙をすするオビトの背中をカカシの両手が包みます。
「オビト、好きだよ。好きだから全部見たい。感じてる顔もどこがいいのかもオレに教えて」
額をくっつけるようにしてオビトを覗き込みます。真剣なカカシの瞳に、オビトの胸も熱くなります。
「オレも好き…、カカシが好きだ」
口に出してしまうと、蟠っていたものがストンとオビトの心に落ちてきました。
(あぁ…これでいいんだ)
またオビトの瞳からは涙がこぼれます。
「泣かないでオビト、お前の涙に弱いんだから」
カカシは優しく頬にキスをします。
「あと、ダメとやだも禁止ね。逆効果だからソレ」
止まっていたカカシの手がオビトの性器に触れ、愛撫を再開し始めました。大きくなっても、カカシの手のひらに収まってしまう程のそこを満遍なく可愛がります。
「やっ…」
「やだは禁止したでしょ。…恥ずかしい時はやだじゃなくてオレの名前呼んで」
「あぁ…カカシッ…」
「いいね。…たまんない」
短く息を吐き、そう耳に直接吹き込まれ、カカシの声がオビトの身体を内側からも溶かしていきます。
腕がオビトの細い腰を引寄せ、距離が縮まるとお尻の下に滾った熱が押し付けられました。
(勃ってる…)
どんな顔をしてるのかと、肩に乗せていた頭を起こすと追いかけるようにカカシの唇がオビトを求めます。
舌を吸われると先ほどとは違う、ズクンと竦むような快感がオビトの身体を駆け巡りました。
まるで触られている性器を舐められているかのような錯覚に、ビクビクと自分の意識とは関係なく性器が脈打ちカカシの手のひらを打ちます。
恥ずかしいと思うのに腰がカクカクと動いてしまうのを止めることが出来ません。
「お尻振っちゃって。可愛いねオビト…これ、気持ちいい?」
「ンッ…見る…なっ…」
直接見えないようにと懸命にカカシに身を寄せようとして首に回した力の入らない腕がもがきます。
そのいやらしい姿に、カカシも加減が効かなくなっていきました。
「カカシッ…アッ…も、痛い…」
直接の刺激に慣れていない皮膚が痛みだしました。先が赤くなってしまった様子を見てさすがにカカシも手を止めます。
肩で息をつくオビトを抱えてソファに寝かせます。床に腰を降ろしたカカシの手がお腹と脚に触れたと思った時には新たな刺激がオビトに襲い掛かりました。
ジクジクと痛む亀頭をカカシの舌が這い、焼ける様な熱さに声が漏れました。
美味しい、かわいいと言っては幾度も性器を食まれ、喉が嗄れるほどカカシの名前を呼び続けてオビトは背を反らせます。
何度目かの痙攣の後、カカシはオビトが射精していない事に気づきます。
ハッとしてオビトの顔を見やると涙とよだれでぐちゃぐちゃです。
「オビト…もしかして、まだ…?」
こくこくと頭を振るオビトにカカシはガツンと頭を殴られたような衝撃を受けました。
「ご、ごめんね!お腹痛くなってない?」
オビトはまだ精通していませんでした。
カカシが気づかない間に何度か達していたのです。
呂律の回らない口調で言葉をつぐむオビトに、カカシは後悔してもしきれないほどの罪悪感でいっぱいになりました。
心配そうに覗き込むカカシがなんだかおかしくてオビトは少し笑いました。
「ちょっとは加減しろよな、バカカシ」
そのまま眠ってしまったオビトを見て、猛省するカカシはオビトの身体の準備が整うまではキスだけにしようと誓ったのでした。